監督:丸山健志
脚本:蛭田直美
撮影:神戸千木
主題歌:三浦透子「Never」
出演:倉悠貴(羽田天)、三浦透子(桜庭心)、清水尋也(大森慎吾)、八木莉可子(黒須凛)、古畑新之(氷室翼)、青木柚(赤羽圭)、xiangyu(千葉桜)、香川沙耶(綾瀬夏美)、上大迫祐希(小川花)、三谷麟太郎(宍戸一樹)、佐藤睦(渋谷桃子)、ゆりやんレトリィバァ(目黒梅子)、 土村芳(剣持雫)
フードデリバリー配達員の羽田は大好きなアイドルへの気持ちの区切りをつけるため、配達1000件を目指している。桜庭心はシンガーソングライターの夢を諦めてダラダラ過ごしている。大森慎吾はfacebookの友達が5000人もいるが、本当の友達はいない。広告クリエイターの凛はプレッシャーに押しつぶされそうだ。カメラマンの氷室は力不足を自覚。死にたいが口癖の桜を心配しつつ、圭は告白できない。モデルの夏美は本業よりパパ活が忙しい。不登校の女子高生の花はインスタにウソの投稿。中学生の一樹はコンビニで時間をつぶす。失恋して引きこもる桃子は占いに依存、隣室の梅子はそれに聞き耳を立てている。雫は不倫相手に尽くすのが生きがい。これがなくなったら…。
丸山健志監督は乃木坂46のデビューシングルからミュージックビデオを手がけ、ドキュメンタリー『悲しみの忘れ方 DOCUMENTARY of 乃木坂46』を2015年に発表しています。たくさんの登場人物に光をあてて、まとめていくのはお得意なのかもしれません。テンポよくストーリーが紡がれます。「スパゲティコード」とは、解読不能なほど複雑に絡み合ったプログラミングコードのことだそうです。
登場する若者たちは東京でそれぞれの愛を模索しています。初めは関わりなど見えなかったのが、次第に複雑に連鎖し、絡み合っていきます。みんな寂しくて、あるいは迷ってもがいているのですが、自分の心や身体だって思い通りにはなりません。ましてやほかの人を知ること、理解することは難しいです。してもらうことも。人生は一回限りなのに時間が足りません。
この作品に出てくる人たちが、傷ついたり、泣いたり、回り道したりして見つけたものをそっと分けてもらえるのが観客。胸に大事にしまってお帰り下さい。ほどき方がわかるかも。(白)
いかにも今どきの若い人たちの姿がポップに描かれていて、最初、若い感覚についていけないのではと思ったのですが、なかなかどうして、テンポのいい群像劇で、どんどんひきこまれていきました。現代社会で生き方に迷う姿が眩しかったです。(咲)
2020年/日本/カラー/シネスコ/96分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)「スパゲティコード・ラブ」製作委員会
https://happinet-phantom.com/spaghetticodelove/
★2021年11月26日(金)渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開
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