2021年11月14日

ボストン市庁舎 原題:City Hall

11月12日(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ他全国順次公開 劇場情報

『ボストン市庁舎』ポスタービジュアル320.jpg
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ボストン市役所の仕事から見えてくるもの

監督・製作・編集・録音:フレデリック・ワイズマン
出演 ボストン市の職員の方たち

フレデリック・ワイズマン監督の最新作は、米マサチューセッツ州の古い街、ボストンの市役所を舞台に撮影した“市民のために働く市役所”。数百種類ものサービスを提供するボストン市庁舎の舞台裏を、市政改革をかかげるマーティン・ウォルシュ市長(当時)をはじめ、問題に対峙し奮闘する職員たちの姿を映し出している。多様な人種・文化が住む大都市ボストンは、ワイズマンの生まれ故郷であり、現在も暮らす街でもある。
カメラは市庁舎の中へ入り込み、市職員の方とともに街のあちこちへ。警察、消防、保健衛生、高齢者支援、出生、結婚、死亡記録など、数百種類ものサービスを提供する市役所の仕事の数々の舞台裏を映し出す。市民のために奮闘するウォルシュ市長と市役所職員たちの姿から浮かび上がってくるのは、私たちが使う「お役所仕事」という言葉には当てはまらないボストン市庁舎の仕事。意外性と驚きに満ちたドキュメンタリー。

ボストン市の職員の方たちの仕事ぶりに驚かされた。それにしても市役所が抱える仕事というのは多様なのだと、改めて知らされた。そして、市職員の対応を見ていたら、こんな町に住んでみたいと思った。ボストンは人種のルツボと言われれるアメリカの中でも、いろいろな国からの移民がいて、多彩な人種が混在している町なんだと思った。それに、この街はアメリカの中でも黒人の割合が高いように感じた。そして、市職員の中のリーダー格にも黒人が多いようだし、女性の幹部も多いのかなとも思った。いろいろな国の出身者が出てきたし、アジアからの移住者も多かったけど、残念だったのは日本人は一人も出てこなかったこと。たぶん日本人もたくさん暮らしている町だと思うけど、日本人はあまり目に入らなかったのかな(暁)。

フレデリック・ワイズマン監督は、1930年1月1日、ボストン生まれ。現在91歳。
「ボストン市庁舎は、市民サービスを合衆国憲法や民主主義の規範と整合のとれるかたちで提供することを目指していて、それはトランプが体現するものの対極にある」と監督は語っています。
映画の中で、マーティン・ウォルシュ市長がよく口にするのが、「自分以外の人々を尊重してほしい」という言葉。自身がかつて虐げられて移民してきたアイルランド人の子孫だとも語ります。トランプの登場で、様々な分野で分断が起こり、医療も住宅も弱者に不利な状況になったのを、なんとか救いたいと模索します。「人を分断したくない。すべての声を聴き、国を市から変えましょう」という力強いウォルシュ市長の言葉に、市庁舎で働く人たちも励まされ、市民に機敏に対応しているのだと思いました。組織を率いる強いリーダーシップが、社会を変えることをまざまざと感じました。
マーティン・ウォルシュ市長は、2021年3月23日よりアメリカ合衆国労働長官に就任。今はどんな活躍をされているのでしょう。日本にもこんな逸材がほしいとも思いました。(咲)


★「市役所割」
「日本の都道府県・市町村の首長や職員に見せたい」の声に応え、
役所職員が特別料金で見られる「市役所割」が実施されています!
 通常当日¥2,800の処、当日料金¥2,200
(劇場窓口にて「職員証」または職員証に準ずるものを提示)
(都道府県・区などの役所も含みます)
長引くコロナ禍で大変な中、市役所で頑張る職員の皆さんを応援する企画でもあります。
市役所割の“詳細

『ボストン市庁舎』HP
2020年/アメリカ/英語/274分/カラー/1.78:1/モノラル/DCP
字幕:齋藤敦子 
後援:アメリカ大使館 配給:ミモザフィルムズ、ムヴィオラ 
posted by akemi at 14:54| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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