2021年11月13日

1941 モスクワ攻防戦80年目の真実   原題:Podolskiye kursanty 英題:THE LAST FRONTIER

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© Voenfilm

監督・脚本:ヴァディム・シメリェフ
製作・脚本:イゴール・ウゴルニコフ(『ブレスト要塞大攻防戦』)
製作:ヴァディム・ザドロジニ
撮影:アンドレイ・ガーキン
音楽:ユーリ・ポテイェンコ(『ナイト・ウォッチ』)
出演:アルチョム・グビン、リュボフ・コンスタンティノワ、イゴール・ユディン、アレクセイ・バルデュコフ「メトロ42」、エフゲニー・ディアトロフ、セルゲイ・ベズルコフ、ロマン・マディアノフ、エカテリーナ・レドニコワ、セルゲイ・ボンダルチュク(『スターリングラード 史上最大の市街戦』)、グラム・バブリシヴィリ(『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』)

第2次世界大戦の流れを変える転換点となった「モスクワ攻防戦」。
最前線でドイツ軍に対峙した若き士官候補生たちの知られざる物語。

1941年10月、ポドリスク砲兵学校で訓練中の士官候補生ラヴロフとディミトリ。二人は共に思いを寄せている看護師のマーシャをめぐって喧嘩し、独房に入れられてしまう。そんな最中、ナチス・ドイツ軍がワルシャワ街道をモスクワに向かって進撃中との情報が入る。中央司令部は適切な援軍を集めるまで進軍を阻止するべく、訓練中の学生兵を前線に送ることを決断する。士官候補生のラヴロフたちは、いずれは将校や中尉となり、兵士を率いる立場だが、基礎訓練も終えておらず、現役の経験もない。いきなり最前線でし烈なドイツ軍の攻撃を受け、仲間が次々に命を落としていく・・・

1941年10月、ポドルスクの2つの軍事学校とモスクワの軍事工学学校から、20歳前後の若者約3,500人の士官候補生が、指揮官とともにマロヤロスラベッツ近郊の前線に派遣された。彼らの任務は、第43軍の部隊とともに、ワルシャワ街道をモスクワに向かって進む敵軍の進撃を少なくとも5日間は阻止すること。ドイツ・ナチス軍は、重砲、空爆、戦車などで士官候補生たちの陣地を叩いたが、突破することはできなかった。士官候補生たちは12日間イリインスキーラインを守り続け、一人として自分の持ち場を捨てようとはしなかった。この作戦で約2,500人が命を落とした。

1941年のイリインスキー防衛線を忠実に再現するために、現在は住宅地となっている前線から少し離れた場所に映画のセットを建設。人工の川、村、ピルボックス、橋、ワルシャワ・ハイウェイの一部などを、航空写真などのアーカイブ資料を使って再現。Vadim Zadorozhny氏の車両博物館に展示されていたソ連やドイツの戦車の実物を使用し、銃器や軍装にも、こだわって1941年の戦いを再現しています。果敢にドイツの戦車に立ち向かう若き士官候補生たちが次々に命を落としていきます。あまりに過酷な戦場の実態。遠隔操作で敵を攻撃する今の時代と違って、戦争が人と人が殺し合うものであることを思い起こさせてくれます。
軍医の女性が嘆きます。「なぜ、未来のある若者が戦うの? 母国を守るために戦っている若者たちを、母国はなぜ助けないの?」
一人の女性を巡って争うけれど、深い友情で結ばれたラヴロフとディミトリ、前線に向かう前に思いを寄せている女性に思い切ってプロポーズする青年、ノートに詩を書きとめ皆に聞かせる青年・・・ 世界のどこにでもいそうな若者たちの姿が描かれていて、戦争の虚しさをずっしりと感じさせられました。(咲)


こちらも、あわせてどうぞ!
12/3公開 『ナチス・バスターズ』


2020年/ロシア映画/ロシア語/142分/シネマスコープ
字幕:藤本聡
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
© Voenfilm
公式サイト:https://1941.jp/
★2021年11月19日(金)より東京・グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国ロードショー



posted by sakiko at 23:42| Comment(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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