2021年11月11日
カオス・ウォーキング(原題:CHAOS WALKING)
監督:ダグ・リーマン
原作:『心のナイフ〈混沌(カオス)の叫び1〉』パトリック・ネス著(東京創元社)
脚本:パトリック・ネス&クリストファー・フォード
出演:トム・ホランド(トッド)、デイジー・リドリー(ヴァイオラ)、マッツ・ミケルセン(フレンティス首長)、デミアン・ビチル(ベン)、シンシア・エリヴォ(ヒルディ)、ニック・ジョナス(ディヴィ・フレンティス・ジュニア)、デヴィッド・オイェロウォ(アーロン牧師)
西暦2257年、〈ニュー・ワールド〉。そこは、汚染した地球を旅立った人類がたどり着いた〈新天地〉のはずだった。だが、男たちは頭の中の考えや心の中の想いが、〈ノイズ〉としてさらけ出されるようになり女は死に絶えていった。この星で生まれ、最も若い青年であるトッドは、一度も女性を見たことがない。
ある時、地球からやって来た宇宙船が墜落し、トッドはたった一人の生存者となったヴァイオラと出会い、ひと目で恋におちる。ヴァイオラを捕えて利用しようとする首長のプレンティスから、彼女を守ると決意するトッド。
二人の逃避行の先々で、この星の驚愕の秘密が明らかになっていく──。
男ばかりの村で育ったトッドは母の思い出は薄れ、女性を見たことがありません。宇宙船から来た女性ヴァイオラと出会って、心の声〈ノイズ〉がみな外に駄々洩れしてしまうところがとても面白いです。男だけのノイズという設定が奇抜で、これは困るだろうし、メンタル弱い人はやっていけません。
粗野で純真なトッドをスパイダーマンで人気となったトム・ホランド。ヴァイオラを『スター・ウォーズ』3部作でレイを演じたデイジー・リドリー。ノイズは頭の周りにタバコの煙のように現れ、これは特殊効果のスタッフが一番考えたところでしょう。能力が高ければノイズは力となり、形を結んだり、人を操ったりもでき、唯一自分のノイズをコントロールできるのがプレンティス首長。その力で周りを従わせている権力者をマッツ・ミケルセン。迫力です。
原作は3部作のヤングアダルト向けの長編でいずれも受賞しています。長尺の原作を1本の映画脚本にしたのは、原作者のパトリック・ネス。映画だから可能な表現をおおいに楽しんだようすです。原作も読んで見比べてみたいのですが、いつになるやら。
地球に住めなくなる日が来ると想像したくありませんが、地球に害成す人類は地球によって淘汰されてしまわないか、とそれが怖い。(白)
2021 年/アメリカ・カナダ・香港/カラー/109 分/ドルビーデジタル/スコープサイズ
配給:キノフィルムズ
(C)2021 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved
https://cw-movie.jp/
Twitter:@ChaosWalking_jp
★2021年11月12日(金)より TOHO シネマズ 日比谷ほかにて公開
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