2021年11月06日

ファイター、北からの挑戦者  英題:Fighter

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(c)2020 Haegrimm Pictures All Rights Reserved

監督:ユン・ジェホ(『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』)
出演:イム・ソンミ、オ・グァンロク、ペク・ソビン

韓国、ソウル。北朝鮮から逃れてきた女性リ・ジナ(イム・ソンミ)は、定着支援研修を終え、小さなアパートにたどり着いた。食堂で働き始めるが、中国に残した父を呼び寄せるために、ボクシングジムの清掃も掛け持ちする。ある日、トラブルに巻き込まれ、男を傷つけてしまい高額の治療費を請求されてしまう。先に脱北した母に頼るしかないが、母はすでに再婚して娘も設けていた。困窮しているジナに、ボクシングジムの館長とトレーナーのテスは、そっとグローブを渡す。ジナは北朝鮮時代に軍隊でボクシングを経験していて、次第にボクシングにのめりこんでいく・・・

脱北者の思いに寄り添って取材を続けてきたユン・ジェホ監督。前作『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』(16)はドキュメンタリーでしたが、本作では、脱北者の若い女性を主人公に、韓国で新たな人生を切り開く姿を瑞々しく描いています。先に脱北して、すでに新しい人生を切り開いた母には頼らず、中国に残してきた父親をなんとか韓国に連れてきたいと頑張る姿に、なぜこんな思いをしなければと胸が痛みます。生まれた国で、希望を持って暮らせない人々の姿に重なり、さらに涙。(咲)

『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』公開の折にユン・ジェホ監督にインタビューしています。
http://www.cinemajournal.net/special/2017/mrsB/index.html

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ユン・ジェホ監督(撮影 宮崎暁美)

脱北して韓国に住む女性リ・ジナ。目立たないようにひっそりと暮らしている。そんな女性がまさかのボクシングに挑戦。北朝鮮では女性も軍隊に入るのか? そういえば、韓国や台湾の男性はある年齢になると徴兵制で軍隊に行かなといけないけど、北朝鮮ではどうなんだろう。そういう話を聞いたことがない気がする。それにしても、ボクシングなんて全然関係なさそうな、この女性のどこから、こんな力が出てくるのでしょう。北にいても南にいても、拠り所のない姿に、そっと力を与えてくれるユン・ジェホ監督の優しさが出ている作品だと思いました。前作『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』の時にユン・ジェホ監督インタビューしましたが、か弱そうな監督の姿からは思いもよらない、力強い女性の姿をまた観ることができました(暁)。

2020年/韓国/104分/シネスコ/5.1ch
日本語字幕:江波智子
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
(c)2020 Haegrimm Pictures All Rights Reserved
公式サイト: https://fighter-movie.com/
★2021年11月12日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか公開





posted by sakiko at 16:39| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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