監督:柿本ケンサク
原案:三秋縋『恋する寄生虫』(メディアワークス文庫)
脚本:山室有紀子(『長い散歩』『眉山―びざん―』『トワイライト ささらさや』)
出演:林遣都、小松菜奈、井浦新、石橋凌
主題歌:Awich「Parasite in Love」
失業中の27歳の青年・高坂賢吾(林遣都)は、極度の潔癖症。8歳の時に両親が亡くなり、孤独の中で生きてきた彼は人と関わることが苦手だ。
17才の高校生・佐薙ひじり(小松菜奈)は、視線恐怖症で不登校。10歳の時に母を亡くしているが、虫の研究をしている祖父・瓜実(石橋凌)から、ひじりも母と同じく頭の中に虫がいて成長すると脳を餌に人間を食いつぶすと言われている。虫は人に感染するので、ひじりは誰も好きにならないと決めて孤独に生きている。
ある日、高坂のところに見知らぬ男・和泉(井浦新)が訪ねてきて、報酬50万円でガキの面倒をみてほしいと、ひじりに引き合わされる。和泉の目的は、虫を成長させることだった・・・
ひきこもり、潔癖症、視線恐怖症、パニック障害など、社会不適応と言われる人たちの多くは虫の感染者だというのが祖父・瓜実や和泉の説。高坂の頭にも実は虫が寄生していて、虫が生殖のために宿主の脳に銘じて、別の宿主に近づくよう仕向けて、この人は運命の人と思わせるのだそう。寄生虫が結ぶ縁という次第。
なんとも奇想天外な発想なのですが、林遣都さんは、潔癖症で孤独な青年をみごとに体現しています。『私をくいとめて』『犬部!』『護られなかった者たちへ』と、活躍が目覚ましい注目株ですね。
賢吾とひじりの出会いは、よこしまな大人が仕向けたものでしたが、社会に適応できない二人だからこそ、わかり合えるものもあるのでしょう。ほんとに大切なものは何なのかを心に問いかけたくなる物語です。(咲)
2021年/日本/99分
配給:KADOKAWA
©2021「恋する寄生虫」製作委員会
公式サイト:https://koi-kiseichu.jp/
★2021年11月12日(金) 全国ロードショー
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