2021年10月27日

アンテベラム(原題:Antebellum)

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監督・脚本:ジェラルド・ブッシュ、クリストファー・レンツ
撮影:ペドロ・ルケ・ブリオッツォ
出演:ジャネール・モネイ(ヴェロニカ/エデン)、エリック・ラング(彼/マザーズ上院議員)、ジェナ・マローン(エリザベス)、ジャック・ヒューストン(ジャスパー司令官)、カーシー・クレモンズ(ジュリア)、ガボレイ・シディベ(ドーン)

南部の広大なプランテーションで綿花を摘み取る黒人奴隷たち。過酷な労働を強いられるうえ、許可なく声を出すことも禁止されている。軍服姿の男たちが監視し、脱走したものは連れ戻され処罰される。エデンが脱走を図ったため一人が殺され、エデンは忠誠心が足りないと身体に焼き印を押された。
ヴェロニカは公私ともに充実した日々を送る社会学者で人気作家でもある。ニューオリンズの出版記念講演会では黒人女性たちを力づけるスピーチで喝采を浴びた。親友たちとのディナーの後、何者かに連れ去られてしまう。

「Antebellum」は「南北戦争前」のこと。奴隷制存続を主張した南部の11州が合衆国から脱退して連合国を作り、北部の23州と戦争を始めました。南部のプランテーションは財産の黒人奴隷の労働で成り立っていたので、手放すわけにはいかなかったんですね。そんなことを思い出しながら観てください。冒頭の「Past is never dead. It's not ever past. (過去は決して死なない。過ぎ去ることさえない)」というフォークナーの言葉も意味深です。
脚本・監督のジェラルド・ブッシュ、クリストファー・レンツはこれが長編第1作。2人が大ファンだというジャネール・モネイがヒロインです。彼女ばかりでなく、非情な悪役トリオも魅了されたという脚本に、実際に奴隷たちが酷使されたプランテーションでのロケが力を与えました。『ゲット・アウト』(2017)と『アス』(2019)のプロデューサーたちが手掛けたと知ると、深読みしたくなりますが予想の斜め上(ってどこ?)をいく展開に驚くでしょう。(白)


2020年/アメリカ/カラー/シネスコ/106分
配給:キノフィルムズ
(C)2020 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
https://antebellum-movie.jp/
★2021年11月5日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 17:19| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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