2021年10月10日

パリのアメリカ人  原題:An American in Paris - The Musical

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ⒸAngela Sterling

映画版監督:クリストファー・ウィールドン
出演:
ジェリー・マリガン役:ロバート・フェアチャイルド
リズ・ダッサン役:リャーン・コープ
アンリ・ボーレル役:ハイドゥン・オークリー
マイロ・ダヴェンポート役:ゾーイ・レイニー
アダム・ホックバーグ役:デイヴィッド・シードン=ヤング
マダム・ボーレル役:ジェーン・アッシャー

『パリのアメリカ人』は、アメリカのミュージカル映画史上に君臨する「巴里のアメリカ人」(1951年)の舞台版。
2015年、ブロードウェイでトニー賞12部門ノミネート中最多4部門を獲得。本作は、ブロードウェイ・プロダクションとキャストによる、2018年のウェストエンド公演(Dominion Theatre)を特別に撮影した作品。

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ⒸAngela Sterling

*物語*
1945年、第二次世界大戦が終結し、やっとナチスから解放されたパリ。
アメリカの退役軍人ジェリー・マリガン(ロバート・フェアチャイルド)は、画家としての新たな人生を夢見てパリに残る決意をする。ジェリーは若く美しいダンサーのリズ(リャーン・コープ)と運命的に出会い、一目で恋に落ちる。
ジェリーは、作曲家を目指すアダムと、ショーマンを夢見るアンリに出会い、友情で結ばれる。ある日、アダムに連れられてスケッチのために訪れたバレエスタジオで、ジェリーはリズと再会する。一方、アダムもまたリズの踊りに魅せられ、彼女に恋してしまう。実は、彼らの友人アンリもまたリズに恋していた。リズは、ナチス占領下のパリでアンリの一家に匿われていた恩義があって、アンリと婚約するが、自由な世界へ自分を連れ出そうとするジェリーにも惹かれ、激しく揺れ動く・・・

冒頭、戦争中、友人や隣人の密告もあって、戦争の傷跡はすぐには消えないと語られます。ナチスの占領下で、フランスのビシー政権がユダヤ人弾圧に加担。リズの両親は犠牲になり、リズ自身はアンリの家に隠れていたのです。ジェリーが下宿探しをしていると、ユダヤ人の芸術家なら家賃はいらないといわれ、パリの人たちの罪悪感がみられます。
『巴里のアメリカ人』(1951年)というタイトルは知っていたものの、映画は観てなくて、今回、こんな深い背景のある物語だったことを初めて知りました。まだ戦時中の記憶の生々しかった頃に作られたものですが、70年近くの時を経た今また観る意義は大きいと思います。華麗なミュージカルに込められた自由・平等・博愛の精神をずっしり感じました。(咲)


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ⒸAngela Sterling


【楽曲一覧】
第1幕
「協奏曲 ヘ長調」カンパニー
「アイ・ガット・リズム」アンリ、アダム、ジェリー、カンパニー
「セカンド・プレリュード」リズ、女性アンサンブル
「ビギナーズ・ラック」ジェリー
「ザ・マン・アイ・ラブ」リズ
「ライザ」ジェリー
「スワンダフル」ジェリー、アダム、アンリ、カンパニー
「シャル・ウィ・ダンス」マイロ
「セカンド・ラプソディ&キューバン・オーバチュア」カンパニー

第2幕
「アントラクト」オーケストラ
「足がウズウズ」ジェリー、カンパニー
「フー・ケアズ?」マイロ、アンリ
「きみに 僕に 永遠に」アンリ、ジェリー、リズ、マイロ
「バット・ノット・フォー・ミー」アダム、マイロ
「パラダイスへの階段」アンリ、アダム、カンパニー
「パリのアメリカ人」カンパニー
「決して奪えはしない」アダム、アンリ、ジェリー

2018年/イギリス/139分/G
配給:松竹
公式サイト:https://broadwaycinema.jp/
★2021年10月15日(金)から東劇(東京)、なんばパークスシネマ(大阪)、ミッドランドスクエア シネマ(名古屋)ほか全国順次限定公開
posted by sakiko at 19:09| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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