2021年10月10日
かそけきサンカヨウ
原作:窪美澄「かそけきサンカヨウ」(「水やりはいつも深夜だけど」角川文庫刊所収)
脚本:澤井香織、今泉力哉
音楽:ゲイリー芦屋
主題歌:「幽けき」(Sony Music Labels) 崎山蒼志
出演:志田彩良 (国木田 陽)、井浦 新(国木田 直)、鈴鹿央士(清原 陸)、中井友望(鈴木沙樹)、鎌田らい樹(有村みやこ)、遠藤雄斗(宮尾数人)、菊池亜希子(国木田美子)、梅沢昌代(清原絹枝)、西田尚美(清原 夏紀)、 石田ひかり(三島佐千代)
幼い頃に母が家を出て、父と二人暮らしの陽はずっと主婦のように家事をこなしている。これからもそんな暮らしが続くと思っていたが、ある夜父から「恋人ができた。その人と結婚しようと思う」と告げられる。父の再婚相手である美子とその連れ子の4歳のひなたと、4人家族の新たな暮らしが始まった。一方、幼なじみの陸は心臓の手術を終え、これまでのように将来の夢が描けず、生活が変わっていく不安を感じていた。陽は陸を誘って実の母であることは伏せたまま、三島佐千代の個展に出かける。
タイトルの「サンカヨウ」は花の名前。どんな花か知らなかったので、すぐ画像を探してみました。映画の中では、陽の古い思い出の中の母の姿とともに現れてきます(でも背中合わせにおんぶされてると見えないんですけど>お母さん)。
春から初夏にかけ冷涼な山地など限られた地域で見られるようです。元は白い花びらが朝露や雨などで水にぬれると透明になって、ガラス細工のように変わるんだそうです。それは見てみたい!(wikiはこちら)
映画は受験前から高校1年生の陽と陸を中心に、それぞれの家族や友人たちとが描かれています。淡くてはかない感じのサンカヨウの花のように、静かでさわやかな青春劇。恋愛と友情のあわいを揺れるような2人を描いて、「とにかく恋愛成就にまっしぐら!感」はひとかけらもありません。そんな中で母子家庭でバイトを続けている沙樹の、地に足がついている台詞が印象に残ります。子どもたちを見守る母たち3人+父1人の視線も優しく、ベタベタしません(あ、おばあちゃんはちょっと…私も気をつけよう)。レモンスカッシュみたいな作品でした。(白)
2020年/日本/カラー/シネスコ/115分
配給:イオンエンターテイメント
©2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会
https://kasokeki-movie.com/
★2021年10月15日(金)より、テアトル新宿ほか、全国公開
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