ユーロスペース、ジャック&ベティなど 劇場情報
●STAFF
監督:四海兄弟
製作総指揮:飯塚冬酒
撮影:長棟航平 / 中田敦樹
音楽:伴正⼈
整音:東凌太郎
●出演
眞塩藍咲/HIKARU/ MARISA/杉本民奈子/Rev.Taisuke/遠谷政史/ 大山小夜子/Pencil Bunch(松谷麗王/KIWA/綿引京子/ 平田ゆり)
千代延大介(サルーキ=)/Timothy Riley/Steven MacCaster
鈴木智晴/松枝利育/河崎将己
2021 年|56 分40 秒 製作・宣伝・配給:ガチンコ・フィルム
公式HP
日本にもゴスペルを愛する人たちがたくさんいる!
アメリカ発祥のゴスペル。黒人教会で歌われた黒人霊歌がルーツの「ゴスペル」はアメリカなどでは教会に通う人々だけでなく多くの人に親しまれている。日本では1970年代、フォークソングや黒人霊歌などにつながる歌として広まったが、1992年に公開された『天使にラブ・ソングを』などの影響もあって、多くの人に知られブームを巻き起こしたという。その影響は大きく、現在、日本でのゴスペル人口は約20万人もいるらしい。しかし日本でゴスペルを歌う人々のおよそ90%はノンクリスチャン。これは世界でも非常にめずらしい。この作品はそんな「ゴスペル」を愛し、歌っている日本在住の人たちにカメラを向け、なぜゴスペルに興味を持ち歌うようになったのか、何のために歌っているのか、また宗教との関わりなど、それぞれの人たちの思いや活動を追いながらその一端を明らかにしていく。
スペイン生まれのゴスペルシンガー(MARISA)、アメリカの黒人教会でゴスペルを指導していた経歴を持つ牧師(Rev.Taisuke)、全国ゴスペルコンテストに挑戦する二人の女子中高生(眞塩藍咲、HIKARU)、ゴスペルに向き合うミュージシャン(遠谷政史、大山小夜子、Pencil Bunch)、ゴスペルと出会い変わっていく女性(杉本民奈子)。それぞれの活動を追い、歌うことへの「思い」「祈り」、そしてゴスペルとの関わりを引き出してゆく。
監督は日本人青年とベトナム人青年の結婚式までを描いた『ぼくと、彼と、』、クレイジーケンバンドの聖地である横浜の伝説のライブハウス『FRIDAY』などのドキュメンタリーを手掛けた四海兄弟。2014年に公開された、無宗教の日本人がなぜゴスペルを歌うのか、歌の先に何が在るのかをテーマにしたドキュメンタリー映画『GOSPEL』(監督松永大司)でプロデューサーを務めた飯塚冬酒が本作でも製作総指揮をしている。14年続く日本最大のゴスペルイベント「横濱ゴスペル祭」を作り上げた方。
私が「ゴスペル」のことを知ったのは50年以上前。高校2年生だった1968年頃。フォークソングにはまり、アメリカ発のフォークソングを聴き、そして黒人霊歌なども聴いていた。ある時マヘリア・ジャクソンが歌う「アメイジング・グレイス」をラジオで聴き感動。この曲はジョン・バエズが歌っていたので知っていて、彼女の歌うこの歌も素晴らしかったけど、マヘリア・ジャクソンの野太い歌声はまた別の感動を覚え心が震えた。後にマヘリア・ジャクソンのCDを買い、「山の上で告げよ」「ジェリコの戦い」「時には母のない子のように」などの名曲を知った。そして日本でも亀渕友香さんがゴスペルを歌っていることを知った。それは高校3年の1969年頃。亀渕友香さんが活躍始めた頃で、まだあまり知られていなかったが、彼女の兄の亀渕昭信さんがオールナイトニッポンのDJをやっていて亀渕友香さんのことを紹介していた。日本人でゴスペルを歌う人がいるということを知りとてもうれしかったのを、この作品を観て思い出した。それにしても、今や20万人ものゴスペル愛好者がいるというのがHPに載っていてほんとかな?とも思ったけど、そんなにいるのもほんとかもしれないと思えるようなほど、たくさんのゴスペル愛好者が出てきたし、「ゴスペル甲子園」というのがあるというのも驚きだった。さらに驚いたのは中高校生の愛好家がいたこと。彼女たちは将来、日本のゴスペル愛好者を引っ張っていくのかもしれない(暁)。
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