2021年10月02日
神在月のこども
監督:四戸俊成 白井孝奈
原作:四戸俊成
脚本:三宅隆太 瀧田哲郎 四戸俊成
キャラクターデザイン:佐川遥
撮影監督:高津純平
声の出演:蒔田彩珠(カンナ)、坂本真綾(シロ)、入野自由(夜叉)、柴咲コウ、井浦新、新津ちせ、永瀬莉子、高木渉、茶風林、神山明
母を亡くした12歳の少女カンナは、大好きだった“走ること”と向き合えなくなった。鬱々とした毎日を過ごしていたある日、母の形見に触れたカンナの前に、神使の兎・シロが現れる。驚くカンナを人々と神々の境界をまたぐ壮大な旅へと誘う。目指すのは、全国から神々が姿を消す神無月(10月)に神々を迎えてまつる“神在月”の出雲。鬼の少年・夜叉に行く手を阻まれながらも、自分を信じて走り続けるカンナだったが……。
日本各地で10月を「神無月(かんなづき)」と呼ぶのは、八百万の神々がみな出雲に集うから。出雲地方では神が集まる「神在月(かみありづき)」と呼ばれます。ご縁があればと条件つき?ながら母に会えると信じてカンナは走り続けます。声をあてる蒔田彩珠(まきたあじゅ)はしっかりした演技で出演作が続く若手のホープ。
各地で出会う神々は、「これが見えたら驚きだけれど、やっぱり楽しいだろう」と思わせる造形です。妖怪でなく神ですから。
案内役のシロに「不思議の国のアリス」のウサギを思い浮かべましたが、「因幡の白兎」のお話はもっと古くからあるのでした(古事記)。その子孫なんだそうです。様々な苦難に遭いながら、出雲を目指すカンナは母に会えるのでしょうか?(白)
私の祖父が出雲の頓原の神社の家の生まれで神職についていたこともあるので、神在月の出雲に向かう物語となれば、興味津々。冒頭に出てきたのは、墨田川の畔にある牛島神社。都内の別宅の近くで馴染み深いところ。まずは、狛牛が重要な役どころで、大きな姿となって少女カンナの前に現れます。牛島神社の脇の鳥居の向こうに見えるスカイツリーもちゃんと描かれています。
次に出てきたのが、都営浅草線本所吾妻橋駅のある交差点。まさに別宅最寄り駅! 角のみすほ銀行のATMや、和食の福井にドトールと、きっちり描かれてます。
カンナが白い兎に導かれて各地の神様から「馳走」(ご馳走の語源)を預かりながら、出雲に届ける道筋が、これまた風景がリアルに描かれていて楽しいです。
愛宕神社、荏原天神、鸛神社、神流川、諏訪湖、諏訪大社、須賀神社、宍道湖・・・ 出雲にやっと着くと大黒様が出雲弁で迎えてくれます。
いろいろなことに阻まれながら目的を達するカンナの成長物語。満開の桜のもと、墨田川の堤を走るカンナの姿が清々しいです。(咲)
2021年/日本/カラー/シネスコ/99分
配給:イオンエンターテイメント
(C)2021 映画「神在月のこども」製作御縁会
http://kamiari-kodomo.jp/
★2021年10月8日(金)より全国公開
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください