2021年09月26日
恐るべき子供たち4Kレストア版 原題:Les Enfants Terribles
監督・脚本: ジャン=ピエール・メルヴィル
脚本: ジャン・コクトー/ ジャン=ピエール・メルヴィル
撮影: アンリ・ドカエ
衣装デザイン:クリスチャン・ディオール
出演:ニコール・ステファーヌ/エドゥアール・デルミット
ある雪の日の夕方、学校の授業を終えた少年たちは雪合戦を繰り広げる。ポールは密かに想いを寄せていた美しい級友ダルジュロスの姿を探し名前を呼ぶ。そんなポールに向かって、ダルジュロスは意地悪く石を交えた雪玉を命中させ、ポールは倒れてしまう。親友のジェラールはポールを介抱し、自宅に送り届ける。ポールは自宅で療養することになる。見舞いに来たジェラールから、ダルジュロスが雪合戦の一件で放校処分になったと聞かされる。一方、ポールの部屋は姉エリザベートと二人で過ごす秘密の子供部屋。ジェラールがその部屋に入ることにエリザベートは怒りを覚える。やがて、重い病だった母親が亡くなる。ポールの反対を押し切ってブティックのモデルとして働き始めたエリザベートが、ある日、モデル仲間のアガットを家に連れてくる。アガットはポールがかつて思いを寄せていたダルジュロスに瓜二つで、ポールは激しく動揺する。やがて、エリザベートはアメリカ人の富豪マイケルと結婚するが、謎の自動車事故でマイケルが亡くなり、遺産として大きな屋敷を相続する。その屋敷で、エリザベート、ポール、ジェラール、アガットの4人の奇妙な共同生活が始まる・・・
「母を亡くし2人きりになったエリザベートとポールの姉弟を軸に描いた、子供たちの危険な愛と戯れの世界」と紹介されていますが、「子供」という言葉に騙されました。子供たちが大人になってからも続く危うい世界でした。 愛とは、執着なのか・・・ フランス人は、愛に生きる人たちなのを再確認させられました。
今回公開されるのは、詩人ジャン・コクトーの同名小説を原作に、コクトー自ら脚本を執筆し、1950年に製作された映画の4Kレストア版。日本語字幕は今回の公開にあたり一新。『燃ゆる女の肖像』の横井和子氏が翻訳を担当し、小説版「恐るべき子供たち」の翻訳者でもあるフランス文学者・映画評論家の中条省平氏が監修。
横井和子氏は、新訳にあたり、「新しすぎない」ことを意識。また、コクトーの言葉の魔法を保ったまま、「映像をしっかり観ながら読み切れる量」に調整することに気を使われたとのこと。コクトーが原作に書いた言葉や、コクトー自身のナレーションで繰り広げられるコクトーのくらくらする世界を、素晴らしい字幕で存分に味わってください。(咲)
1950年/フランス/107分/フランス語/モノクロ/スタンダード4Kデジタルリマスター版/DCP・Blu-ray
日本語字幕:横井和子 監修:中条省平
配給:リアリーライクフィルムズ、Cinemago /シネマエンジェル(提供)
公式サイト:https://www.reallylikefilms.com/osorubeki
★2021年10月2日(土)より、シアター・イメージフォーラム他にて全国公開
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