2021年09月26日

護られなかった者たちへ

10月1日(金)全国ロードショー  劇場情報
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©2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会

衝撃と感動のヒューマンミステリー

原作:中山七里「護られなかった者たちへ」(NHK出版)  
監督:瀬々敬久『64-ロクヨン-前編/後編』 
脚本:林民夫『永遠の0』・瀬々敬久  
音楽:村松崇継『思い出のマーニー』  
主題歌:桑田佳祐「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント) 
出演
利根泰久:佐藤健 笘篠誠一郎:阿部寛 円山幹子:清原果耶 蓮田智彦:林遣都 三雲忠勝:永山瑛太 城之内猛:緒形直人 上崎岳大:吉岡秀隆 遠島けい:倍賞美津子 カンちゃん:石井心咲

2018年に発行された、作家中山七里のミステリー小説「護られなかった者たちへ」を原作に、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の主演・佐藤健&瀬々敬久監督のコンビ、そして阿部寛の共演で映画化。
東日本大震災(2011)から9年後。舞台は復興が進む宮城県仙台市内。老朽化したアパートで、手足を縛られたまま放置され餓死させられるという凄惨な連続殺人事件が発生。被害者は人格者と言われていた男たちだった。2つの事件の共通点から、捜査線上に利根泰久が容疑者として浮かび、宮城県警捜査一課の刑事、笘篠(とましの)誠一郎が捜査を続ける。被害者の一人は、仙台市の職員で生活保護に関する相談業務を担当していた。もう一人は県議会議員だったが、彼もまた以前は仙台市の職員として生活保護の相談員をしていた。
利根は知り合いのおばあさんへの思いから放火、傷害事件を起こして服役。刑期を終えて出所したばかりの元模範囚だった。笘篠刑事は2つの事件を調べるうち、この傷害事件を起こした発端が、この事件の背景にあるのではないかという思いから、利根が容疑者ではないかと思い捜査を続けていたが、決定的な証拠がない中、第3の事件が起こる。
佐藤健が容疑者の利根役、阿部寛が利根を追う刑事の笘篠役を演じ、要となるカンちゃんの役を清原果耶、利根とカンちゃんを見守るおばあさんの役を倍賞美津子、そして永山瑛太、緒形直人、吉岡秀隆、林遣都らが出演。監督は『感染列島』(09)、『ヘヴンズストーリー』(10)、『64 ロクヨン』2部作(16)、『糸』(20)の瀬々敬久。

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(C)2021 映画「護られなかった者たちへ」製作委員会

東日本大震災と生活保護をめぐる状況を伏線にした話。震災で家族を亡くしたもの同士が助け合い、疑似家族のような関係を築く。生活保護の現状と苦悩を描くことで、日本の社会保障の問題を暴き出す社会派ミステリー。現代社会にある貧困や格差社会が浮き上がってくる。震災から9年。復興が進んでいるというがそうだろうか。街の形は外見上は戻っていても、住んでる者たちの心はなかなか元にはもどりません。喪失感がなくならないまま生きています。
そして死活保護は、苦しい生活を続けている人たち、生活保護を必要とする人たちに届いているのか。憲法第二十五条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあるが、それは実践されているのか。そうでないから起こってしまった事件。生活に困り、生活保護を求めても、福祉事務所の窓口でなかなか許可されない現状。切り捨てられた「権力の圧力により護られなかった者たち」。大切な人を護ることが出来なかった後悔が語られる(暁)。


『護られなかった者たちへ』 公式サイト
2021年製作/134分/G/日本
配給:松竹 企画:アミューズ
posted by akemi at 10:01| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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