2021年09月03日

先生、私の隣に座っていただけませんか?

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監督・脚本:堀江貴大
撮影:平野礼
音楽:渡邊琢磨
劇中漫画:アラタアキ、鳥飼茜
主題歌:eill「プラスティック・ラブ」
出演:黒木華(早川佐和子)、柄本佑(早川俊夫)、金子大地(新谷歩)、奈緒(桜田千佳)、風吹ジュン(下條真由美)

漫画家夫婦の早川俊夫と佐和子。休筆して何年にもなる俊夫は、妻の佐和子の作品のペン入れを手伝っている。結婚5年目の夏、佐和子は担当編集者の桜田千佳と俊夫の不倫に気づいてしまった。
佐和子の母が交通事故で怪我をしたため、佐和子と俊夫はしばらく実家で暮らすことにした。俊夫に勧められて運転免許を取るために自動車教習所に通うことになった。送り迎えの車中で、佐和子の新作のテーマが「不倫」と聞いて慌てた俊夫は、佐和子が書き始めた漫画のネームを盗み見る。そこには自分たちそっくりの夫婦が登場し、俊夫と千佳の不倫シーンまである。そして佐和子と教習所の若い教官・新谷との出逢いも逐一描かれていた。この漫画は真実なのか?創作なのか?

実生活と佐和子の描く漫画のネーム(ざっと描かれた原稿)が交互に出てきます。それぞれの登場人物の虚々実々のかけひきが面白く、中でも原稿を盗み見する俊夫のあせりっぷりがなんともおかしい。自分の不倫はあまり自覚せず、佐和子への疑いは膨らんでうろたえるばかり。対する佐和子は視線の動きや表情で、強い意志を感じさせます。新谷に出逢って心惹かれていく佐和子が日に日にお洒落になっていくのにも注目を。演じる黒木華さん、柄本佑さんのこまやかな演技。見守る母の風吹ジュンさんの懐の深さ、奈緒さんの千佳はあっけらかんと面白がり、真面目な顔を崩さない金子大地さんの新谷、とそれぞれに振られたキャラクターが生き生きしています。ラストはそうきたか、と納得。笑えて、共感して、謎も楽しめる作品でした。
白い紙にサラサラと線が引かれ、漫画が生まれていくシーンがたくさん挟み込まれていて、釘付けになりました。今の子供たちがyoutuberに憧れるように、昔は漫画家になりたかったんです~。早々に諦めましたが。現役の漫画家のアラタアキさん、鳥飼茜さんが劇中の漫画を描いています。
オリジナル作品の企画コンテスト「TSUTAYACREATORS' PROGRAM FILM」2018年の準グランプリ作品。(白)


『先生、私の隣に座っていただけませんか?』というタイトルに、先生は、てっきり教習所の控え目で素敵な先生のことねと思って観ていたら、それだけではなかったことがわかって、そういうことだったのね!と、唸りました。そう来たか~というラストも素敵です♪ (咲)

2021年/日本/カラー/シネスコ/119分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2021「先生、私の隣に座っていただけませんか?」製作委員会
https://www.phantom-film.com/watatona/
★2021年9月10日(金)ロードショー

posted by shiraishi at 23:18| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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