2021年08月22日

ショック・ドゥ・フューチャー   原題:Le choc du futur

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監督:マーク・コリン(音楽ユニット“ヌーヴェル・ヴァーグ” )
出演:アルマ・ホドロフスキー、フィリップ・ルボ、クララ・ルチアーニ、ジェフリー・キャリー、コリーヌ

1978年、パリ。若手女性ミュージシャンのアナは、CMの作曲を依頼され、インドの道場に修行にいっているミシェルの音楽機材を置いてある部屋を貸してもらう。自分には高くて買えないシンセサイザーで作曲に取り組むが、なかなか思うような曲が書けない。プロデューサーと約束した締め切りは過ぎ、明朝にはクライアントに提出しないといけないのに、シンセサイザーが故障してしまう。修理に来た技術者が持っていた日本製のリズムマシンROLAND CR-78に魅せられたアナは、これがあれば素晴らしい曲が作れると、頼み込んで貸してもらう・・・

男性優位の音楽業界で、新しいエレクトロミュージックに挑む若き女性ミュージッシャンの姿を描いた瑞々しい作品。
「男なら期限に間に合わせる」などと、レコード会社の男性の口から出てきて、男だって期限を守れない人もいると、ムッとしますが、私自身、なかなか締め切りを守れないので何もいえません。
主人公のアナを演じているアルマ・ホドロフスキーが、あのアレハンドロ・ホドロフスキー監督の孫というだけで、もうこの映画にぐっと惹かれます。
思うように曲が書けない苦悩、そして、電子楽器が醸し出す新しい音色に魅せられ生き生きとするアナを、アルマ・ホドロフスキーは素敵に体現しています。
映画の最後には、実在する女性ミュージシャンの人たちの名前が掲げられています。マーク・コリン監督が、なかなか日の当たらない女性たちに敬意を表した映画でもあります。

ローランドのリズムマシンで思い出すのが、1970年代後半に大学のジャズバンドでキーボードを担当していた妹のこと。倉庫から楽器がごっそり盗まれたことがあって、妹が使っていたローランドのマシンも、もしかしたらこれではないかと警察から連絡があって見に行ったものの、キズをつけないよう綺麗に使っていたので見極められなかったということがありました。妹に型番を聞いたら、もう忘れてしまったとのこと。当時としては、いろんな音が出て画期的で面白かったそうです。譜面通りにしかピアノを弾けなかった私には、自由自在に弾くことのできる妹がうらやましかったことも思い出しました。(咲)


2019年/フランス/78分/5.1ch/シネマスコープ/DCP/映倫区分G
配給:アットエンタテインメント
公式サイト:https://chocfuturjp.com/
(C)2019 Nebo Productions - The Perfect Kiss Films - Sogni Vera Films
★2021年8月27日(金)より新宿シネマカリテ、渋谷ホワイトシネクイントほかにて公開


posted by sakiko at 04:15| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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