2021年08月20日

岬のマヨイガ

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監督:川面真也
原作:柏葉幸子「岬のマヨイガ」(講談社刊)
脚本:吉田玲子
撮影:渡辺有正
音楽:宮内優里
主題歌:羊文学
出演:芦田愛菜(ユイ)、粟野咲莉(ひより)、伊達みきお/サンドウィッチマン、富澤たけし/サンドウィッチマン、宇野祥平、達増拓也(岩手県知事)、天城サリー、大竹しのぶ(キワさん)

避難所の体育館でユイはキワさんとひよりに出逢った。事故で両親をなくして以来声の出ないひよりは、預けられた親戚もいなくなって身寄りがなかった。居場所のない17歳のユイと8歳のひよりを引き受けてくれたキワさんは、岬にぽつんとある古民家「マヨイガ」に連れていく。誰かいそうな気がする古い家で、温かいごはんを食べ、何も心配せずに眠れた2人は、ふしぎなおばあちゃんキワさんと、ふしぎなこのマヨイガになじんでいく。
★メイン (1).jpg

「マヨイガ(迷い家)」をこのアニメーションで知りました。岩手県に伝わっている森の中を動き回る家のことで、迷い込んだ人をもてなし、その人に富貴をもたらすとか。「遠野物語」に無欲な女が訪れて何も食べず何も持たずに帰り、後にその女の家が栄えたとあります。映画の中でもキワさんがユイとひよりに語って聞かせる話のひとつです。話し上手だった祖父を思い出しました。
大竹しのぶさんが声をあてているキワさんは、元気で物知りで、いったい何者なんでしょう?マヨイガに連れていくのをはじめ、”ふしぎっと”と呼ばれる妖怪たちと仲良し、その後も次々と信じられないことが起こります。ファンタジー好きは必見!
マヨイガに恐る恐るやってきたユイは、見えない傷を抱えています。それまで自分のことだけでいっぱいだったユイが幼いひよりをかばい、キワさんやマヨイガやこの町を守りたい!とたくましくなります。ジュブナイル好きも必見!

原作の「岬のマヨイガ」(2015)は岩手日報に連載後に出版され、野間児童文芸賞を受賞しています。試写の後にすぐ原作を読み、ほかの柏葉作品も次々に読みました。著者の柏葉幸子さんは岩手県出身・在住。大学生のときに最初の童話を書き、これまでにたくさんの作品を発表しています。ファンタジーが多く、伝承の不思議な生き物や妖怪やお年寄りが登場。主人公が好き嫌いしたりすぐにぷっとふくれたり、お転婆だったりするところに親近感がわきます。ちょっと不思議で、読み終わった後ぽっと胸が温かくなるお話ばかりです。子どもも大人もどうぞ。(白)


◎映画版ノベライズも発刊されました。こちらです。

2020年/日本/カラー/105分
配給:アニプレックス
(C)柏葉幸子・講談社/2021「岬のマヨイガ」製作委員会
https://misakinomayoiga.com/
★2021年8月27日(金)ロードショー

posted by shiraishi at 17:57| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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