監督・脚本: スザンヌ・ランドン
編集:パスカル・シャヴァンス
音楽:ヴァンサン・ドレルム
出演:スザンヌ・ランドン、アルノー・ヴァロワ、フレデリック・ピエロ、フロランス・ヴィアラ、レベッカ・マルデール
パリ、モンマルトル。
スザンヌは 16 歳。 ちょっと大人になった気分。高校の同級生たちとの会話は退屈。恋に憧れるけど、学校の男子たちはお子ちゃまに見える。そんなある日、彼女は劇場の前で舞台俳優のラファエルと出会う。35歳。一回り以上、年上の彼はとても頼もしく見えて、瞬く間に恋に落ちる。ラファエルもまた、舞台仲間たちとの毎日繰り返される日常に退屈していて、スザンヌと過ごす時間は新鮮。カフェで音楽を聴きながら過ごしたり、道でダンスをしてみたり、満ち足りた日々。でも、スザンヌはふっと不安になる。これでいいの? 母に「私、恋をしてしまったの・・・」と打ち明けて涙ぐむ・・・
スザンヌ・ランドン:監督・脚本・主演(スザンヌ)

2000 年パリ生まれ。俳優のサンドリーヌ・キベルランと、ヴァンサン・ランドンの長女として誕生。15 歳でフランスの名門高校 Henri IV に入学し、同時に本作『スザンヌ、 16 歳』の執筆を開始。2018 年優秀な成績で高校を卒業し、パリの国立高等装飾美術学 校に入学。2019 年、15 歳のときに書いた脚本を元に、19 歳で映画制作に着手。監督と主演の両方に初挑戦した。こうして完成した本作は、2020 年カンヌ国際映画祭にて オフィシャルセレクションに選定認定され、その後、各国の映画祭で高い評価を受けている。 また彼女は映画の枠を超えて、セリーヌ(CELINE)のクリエイティブディレクター、 エディ・スリマンによる“PORTRAIT”プロジェクトにモデルとして参加。さらにシャネル(CHANEL)のアーティス ティックディレクター、ヴィルジニー・ヴィアールに新しいミューズとして抜擢されるなど、フランス国内のカルチ ャー&アートシーンで注目される存在となっている。 (公式サイトより)
カフェのテラスに座って、ラファエルと音楽を聴きながら、同じ動作をする場面。忘れられません。携帯電話も出てこない世界に注目を!

スザンヌ・ランドン自身が自分探しをしながら、のびやかに描いた瑞々しい映像詩。
脚本を書いたのは 15 歳のとき。「恋をしてみたい」と強く憧れて、まだ経験したことのない恋愛感情を思い描きながら書いたとのこと。まさに恋に恋する思春期の賜物。それに気づいたのか、スザンヌは、自分でラファエルとの恋に終止符を打ちます。次の恋に進む第一歩。まだまだ人生は始まったばかり。ラファエルとの恋がプラトニックなものに終わったのも素敵です。父親や母親との関係も細やかに描いていて、この年代だからこその感情に共感する人も多いのではないでしょうか。
俳優の両親のもとに生まれ、映画の世界をそれなりに小さいときから知っていると思われるスザンヌ・ランドンですが、自由な発想に、若い才能のこれからが楽しみです。(咲)
2020年/フランス/77分
配給:太秦
公式サイト:http://suzanne16.com/
★2021年8月21日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開