2021年08月13日

リル・バック ストリートから世界へ  原題:LIL BUCK REAL SWAN

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監督:ルイ・ウォレカン
出演:リル・バック

ダンサー、チャールズ・ライリー(愛称リル・バック)。
アメリカ南部テネシー州メンフィスの貧困地区で育ったリル・バックは、幼い頃から抜群の身体感覚を持っていた。メンフィス発祥の地面を滑るような動きの「ジューキング」にのめり込む。ダンスが上手くなりたいと、奨学金を得てバレエ・スクールに入学。クラシックバレエとジューキングを組み合わせ、名曲「白鳥」(「瀕死の白鳥」)を踊り、動画で発信する。それは、世界的チェロ奏者ヨーヨー・マの目にとまり、あるパーティーで共演。偶然居合わせた映画監督スパイク・ジョーンズがその様子を携帯で撮影し、YouTubeに投稿。その1本の動画が、リル・バックの運命を変えていく・・・

スニーカーで踊る「瀕死の白鳥」は、独特の滑らかな動き。一度見たら、忘れられません。
ヨーヨー・マから声がかかり、調べてみたら世界的なチェロ奏者だとわかり、びっくりするリル・バック。ヨーヨー・マのチェロの伴奏で、ちょっとおじけながら踊る姿が、なんとも素朴で可愛いです。
私にとっては、ヨーヨー・マの6歳の頃のデビュー映像も観れて嬉しい一齣でした。
ヨーヨー・マとの共演をきっかけに、さらにジャネール・モネイ、マドンナとの共演や、ヴェルサーチ、シャネルなどとのコラボなど、多彩な活躍を続けているリル・バック。犯罪多発地域のメンフィスの子どもたちの希望の星です。
エルビス・プレスリーはじめ、多くのミュージッシャンを生み出したメンフィス。そんな土壌がジューキングを生み出し、リル・バックのような人物を輩出したのですね。(咲)



★日本公開を前に行われたリル・バックへのインタビューの中から観客へのメッセージが配給・宣伝のムヴィオラ様から届きました。
◆リル・バックより日本のダンサー・観客の皆さんへ
どんな困難があったとしても、自分のやっていることを愛しつづけて。
個人的に苦しかったり、世界の状況が大変だったとしても、
どうか、好きなことを止めないでください。
ダンサーとしてどれだけお金を稼げるかとか、稼げないとかではなくて、
なぜダンスを始めたのかを忘れないで。
だって、最初にダンスを始めたのはお金のためではないでしょう?
ダンスが大好きだから始めたんだ、ということを忘れないでほしい。
自分の身体すべてを捧げて、どんな困難も乗り越えようと思うほど、
ダンスを愛していたということを。
その情熱を忘れないで。
そうすればもう大丈夫。
だってそれが、君の踊る理由だから。

経済的なことに左右されないで。
君にとって”成功”が何を意味していようと、
本当に成功したいのなら、どうかもがいて手に入れて欲しい。
ダンスへの情熱で自分を動かして、そこに到達してください。



SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020で『リル・バック/メンフィスの白鳥(仮題)』のタイトルで上映された作品。
映画祭事務局によるルイ・ウォレカン監督インタビュー
https://youtu.be/B31ijYnPr9A

2019トライベッカ映画祭公式出品
2019サンフランシスコ・ダンス映画祭最優秀作品賞

2019年/フランス・アメリカ/ドキュメンタリー/85分/DCP/カラー 
配給・宣伝:ムヴィオラ
公式サイト:http://moviola.jp/LILBUCK
★2021年8月20日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺他全国順次公開


posted by sakiko at 03:42| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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