監督:ウエダアツシ
原作:浅野いにお
脚本:ウエダアツシ、平谷悦郎
撮影:大森洋介
音楽:world's end girlfriend
出演:出演:石川瑠華(佐藤小梅)、青木柚(磯辺恵介)、前田旺志郎(鹿島翔太)、中田青渚(小林桂子)、倉悠貴(三崎秀平)、いまおかしんじ(佐藤満)、村上淳(磯部秀雄)
海辺の田舎町に暮らす中学2年生の小梅は、憧れていた三崎先輩に告白したものの、遊びなれた三崎にセクハラを受ける。傷ついて自棄になった小春は、1年のときに告られた同級生の磯辺を誘って衝動的に初体験を済ませてしまった。今も好きだという磯辺だったが、小梅はまだ三崎が好き。そんな小梅を幼なじみの翔太が見守っている。
高校生の話かと思ったら、中学生。え、え~!今の中学生はこんななの?とおばちゃんはびっくりです。親が知らないだけ?レイテイングが「R15+」なので、小梅たちと同じ中2は観られません(ということになっています)。演じている俳優さんが上手いので中学生に見えますが当然大人です。安心して(?)。
小梅が三崎を好きになったのはたぶん見た目のカッコよさと少し大人なところでしょう(けれど中身はひどかった)。磯部は小梅の気持ちが自分にないのを知りながら、身体の関係だけは続けます。磯部の喪失感を小梅は理解できず、どちらも満たされません。台詞のひとつひとつが生々しくて、彼らの心の隙間の大きさとヒリヒリと疼く傷口が見えるようでした。痛くて切なくて同年代の人には刺さるでしょう。
浅野いにおさんが原作の映画『ソラニン』(2010/ 三木孝浩監督)も観ています。宮崎あおいさんがパートナー高良健吾を亡くした喪失を抱え、遺された楽曲を歌うことで乗り越えるお話でした。
小梅や磯部のそばには翔太や桂子がいます。迷っても悩んでも、何もしなくても日々は過ぎていき、大人になるのはあっというまです。急いで大人にならないで子どもでいることを楽しめ、と言いたいおばちゃんでした。(白)
2020年/日本/カラー/シネスコ/107分/R15+
配給:スタイルジャム
(C)浅野いにお/太田出版・2021「うみべの女の子」製作委員会
https://umibe-girl.jp/
★2021年8月20日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開
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