2021年07月31日

映画 太陽の子

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監督・脚本:黒崎博
撮影:相馬和典
音楽:ニコ・マーリー
主題歌:福山雅治 「彼方で」
出演:柳楽優弥(石村修)、有村架純(朝倉世津)、三浦春馬(石村裕之)、田中裕子(母フミ)、國村隼(荒勝文作)、イッセー尾形(澤村)、山本晋也(朝倉清三)

1945年夏。軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・石村修と研究員たちは、原子核爆弾の研究開発を進めていた。
研究に没頭する日々の中、建物疎開で家を失った幼馴染の朝倉世津が修の家に居候することに。
時を同じくして、修の弟・裕之が戦地から一時帰郷し、久しぶりの再会を喜ぶ3人。ひとときの幸せな時間の中で、戦地で裕之が負った深い心の傷を垣間見る修と世津だが、一方で物理学に魅了されていた修も、その裏にある破壊の恐ろしさに葛藤を抱えていた。そんな二人を力強く包み込む世津はただ一人、戦争が終わった後の世界を見据えていた。
それぞれの想いを受け止め、自分たちの未来のためと開発を急ぐ修と研究チームだが、運命の8月6日が訪れてしまう。

2020年8月にNHKで放送されたドラマ「太陽の子」映画版。テレビは未見でした。
実験好きの石村修が在籍する京大の研究室のようすが詳しく描かれています。戦争中各国で原子爆弾の開発競争があり、日本もその一つだったと知っている人がどれだけいるでしょう?アメリカに先を越されて日本は被爆国となりましたが、研究室の面々もこれが完成すれば戦争を終えられると信じて開発していたのでした。
父の期待に応えて海軍に入隊した弟の裕之が帰省し、修、世津の3人が海辺で遊ぶ美しいシーン、その晩世津が2人の手を取って「お説教」するシーンも深く胸に刻まれます。隊に戻る朝、母が抱きしめたくて出しかけた手を裕之の耳にやります。三浦春馬さんファンの方ハンカチ握りしめていてください。
科学者の修が拠り所としているアインシュタインの声が随所に入ります。「真理」を掴みたい一心が科学を発展させてきたのですが、一番に人間を幸せにするものであってほしいです。注:エンドロール後も映像がありますので、最後までお席に。(白)


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予備知識なしに拝見。観始めてすぐ、この話、観たことある・・・ 謎は観終わってプレス資料を確認して、昨年夏にNHKで放映されたものの映画版と判明したという次第でした。放映されたのが終戦の日の8月15日。三浦春馬さんが自ら旅立って、まだ1か月も経たない時でした。束の間の休みを海辺で楽しんだ三浦春馬さん演じる裕之が、死を覚悟して特攻隊の任地に戻る時に語る言葉にじ~んとさせられました。きらきら輝く目が忘れられません。
原子核爆弾の研究開発に勤しむ学生たちの姿からは、その爆弾が人を大量に殺すものであるということよりも、純粋に研究を成功させたいと思いが感じられました。敗戦後、そうした学生たちが日本の科学技術の目覚ましい発達に携わったことを思うと、原子核爆弾の完成が終戦に間に合わなくてよかったとさえ思いました。
テレビ版と映画版の違いは、テレビ版を観たのが去年のことなのでよくわからないのですが、やはり大きなスクリーンで見る海辺の場面は格別です。黒崎監督がこだわって探したロケ地は、京丹後の海。スタッフが兵庫の近辺から京都を超えるあたりまで海岸線をしらみつぶしに探してたどり着いた浜辺。エメラルドグリーンがかった独特なブルーは、地元の方が「9月半ばから下旬にかけてしか見られない、“奇跡のブルー”」と教えてくれた色だとか。
また、京都大学から特別に許可をいただいて撮影できた時計台を背景にした校門からの学徒出陣シーンも忘れられません。戦争の時代に青春を過ごした父母たちの世代の人たちの気持ちに思いを馳せました。(咲)


<配信トークイベント>
【番組名】『映画 太陽の子』公開記念!監督&プロデューサーの徹底解剖スペシャルトーク!
【配信日時】2021年8月14日(土)20:00~21:00(予定)※生配信
【配信場所】 共感シアター (https://bals.space/theater/233/)
【出演者】黒崎博監督、森コウプロデューサー/MC 伊藤さとり(映画パーソナリティー)

<トークイベント「太陽の小部屋」>
【実施日】2021年8月15日(日)10:30の回 上映終了後(予定)
【場所】渋谷HUMAXシネマ 東京都渋谷区宇田川町20−15
【出演者】黒崎博監督、森コウプロデューサーほか


2021年/日本・アメリカ合作/カラー/シネスコ/110分
配給:イオンエンターテイメント
(C)ELEVEN ARTS Studios/2021「太陽の子」フィルムパートナーズ
https://taiyounoko-movie.jp/
★2021年8月6日(金)ロードショー

posted by shiraishi at 00:50| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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