2021年07月11日
SEOBOK/ソボク(原題:Seobok)
監督・脚本:イ・ヨンジュ。
撮影:イ・モゲ
音楽:チョ・ヨンウク
出演:コン・ユ(ギホン)、パク・ボゴム(ソボク)、チョ・ウジン(アン部長)、チャン・ヨンナム(イム・セウン)
余命宣告を受けた元情報局エージェント・ギホン。死を目前にしている彼に、 国家の極秘プロジェクトで誕生した人類初のクローン・ソボク(徐福)を護衛する任務が舞い込む。人類の救いにも災厄にもなりうるソボクを狙うものは多く、早々に襲撃を受ける。からくも逃げおおせたが、ギホンとソボクは2人だけになってしまった。 危機的な状況の中、2人は衝突を繰り返しながらも、徐々に心を通わせていく― 。
韓国の人気俳優2人が初共演。お互いに期待大で臨んだようす。
コン・ユ(1979年生まれ184㎝)、パク・ボゴム(1993年生まれ182㎝)、2人並ぶと絵になります。余命僅かなギホンと永遠に生きられるクローンのソボク、皮肉なコンビの逃避行はどちらにも大きな影響を及ぼします。初めて研究所から外の世界に出たソボクは納得しないと動かず、初めて見るものに好奇心いっぱいで(可愛い)、護衛役のギホンをイラつかせます。しかしソボクの細胞が自分の病気を治すかもしれないという期待も捨てられず。過去のトラウマを抱え、自分の内と外の敵(二転三転)とも戦わねばなりません。それでもコン・ユなら大丈夫、とつい思ってしまいます。ソボクは純真無垢かと思えば、感情が発達していないのかと思う面もあり、まだ外に見せていない能力も秘めていそうです。パク・ボゴムの繊細な表情を見逃さないで。
只今兵役中(来春まで)のパク・ボゴムは、ルックスだけでなく、性格の良さ、ファンサービスでも定評があります。彼の韓国のファンクラブの名前は“ボゴム福祉部”というんだそうです。存在していてくれるだけで、癒されるってことでしょうか?ボゴムは漢字で”宝剣”と書くので、日本の厚労省にあたる韓国の”保険福祉部”と発音が似ているという解説になるほど~。
この映画でもコン・ユとのやりとりで見せる天使か赤ちゃんのような純真さにキュンっとやられます。後半、怒涛のアクション(特殊効果も凄い)ではきりり!
*徐福は始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を探した男の名。それにちなんで初のクローンに同じ名がつけられました。(白)
お気に入りの映画『建築学概論』のイ・ヨンジュ監督が放った新作は、クローン人間が登場するSF。『建築学概論』とは、まったく違ったテイストでした。
人間にとって避けられない死。科学の力で作られた永遠に生きられるクローン人間のソボクですが、その細胞で「不死」を得ることを知られ、研究所の外に出たとたん、身に危険がおよぶという皮肉。警護にあたるギホンは、病を抱え、死が現実のものと感じているからこそ、少しずつ感情を持ち始めたソボクに、寄り添うことができたのだと感じました。実に人間味溢れる物語でした。(咲)
タイトルを見た時、クローンで「SEOBOK/ソボク」? なんだろうと思いました。「SEOBOK/ソボク」は「徐福」のハングル読みということを知り、なるほどと思いました。不老不死の薬を探して中国大陸から日本まで到達したのではないかという伝説の人の名前をつけたクローンだったのですね。この名前は中華圏の映画ではよく出てきますが、この「徐福」という名前を見るたびに、そんなにも人類は「不老不死」を求めてさまよったの?と気になっていたのですが、韓国でもこの名前は広く伝説になっていたのですね。クローン人間といういわばロボットを作り、不老不死を作り出す実験をしているという設定。死を克服したい人間たちは「ソボク」をめぐって争う。「ソボクがいれば人間は死に勝てる」ということを信じて余命宣告されたギホンはソボクの護衛を務めるが…。はたして、それは叶うか? 「不老不死」をテーマにクローンと人間の不思議な物語が描かれる(暁)。
2021年/韓国/カラー/シネスコ/114分
配給:クロックワークス
(C)2020 CJ ENM CORPORATION, STUDIO101 ALL RIGHTS RESERVED
http://seobok.jp/
★2021年7月16日(金)ロードショー
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください