2021年06月27日
アジアの天使
脚本・監督:石井裕也
撮影監督:キム・ジョンソン
音楽:パク・イニョン
エグゼクティブプロデューサー:飯田雅裕
プロデューサー:永井拓郎、パク・ジョンボム、オ・ジユン
出演:池松壮亮、チェ・ヒソ(『金子文子と朴烈』)、オダギリジョー、キム・ミンジェ、キム・イェウン、佐藤凌
小説家の青木剛(池松壮亮)は妻を病気で亡くし、8歳になるひとり息子の学を連れて、ソウルにやって来た。仕事があるという兄(オダギリジョー)を頼って来たのだが、聞いていた住所には韓国人がいて、言葉が通じず埒が明かない。ようやく兄が帰宅するが、韓国コスメの事業で手を組んでいた韓国人の相棒が商品を持ち逃げしてしまったことが判明する。兄弟は、韓国産ワカメで一山当てようと、海沿いの江陵(カンヌン)に行くことにする。飛び乗った江原道(カンウォンド)に向かう列車で、剛たちは、同じように人生に行き詰った韓国の三兄妹と出会う。言葉は通じないながら、一緒に降りた駅からボロトラックで三兄妹の両親の墓参りに付き合うことになる・・・
『舟を編む』(13)で日本アカデミー賞監督賞を最年少で受賞した石井裕也監督が、オール韓国ロケで挑んだ作品。95%以上のスタッフ・キャストが韓国チーム。
石井裕也監督は、2014年の釜山国際映画祭で共に審査員を務めたパク・ジョンボム監督(『ムサン日記〜白い犬』)と友情を育み、本作の実現へと繋がりました。パク・ジョンボム監督は、韓国コスメの共同事業で商品を持ち逃げする役で出演しています。パク・ジョンボム監督には、こういう悪役が似合いますが、オダギリジョーも、一獲千金を狙ういい加減な男がぴったりです。石井裕也監督が、本作より後に作った『茜色に焼かれる』(5月21日公開)でも、しょうもない男をひょうひょうと演じていたオダギリジョー。憎めないです。
列車で出会う三兄妹の一人ソルは、元・人気アイドルで今は売れない歌手。『金子文子と朴烈』で強烈な印象を残したチェ・ヒソが、しんみりと演じています。
剛とソルは、かつて「天使」に出会ったことがあるのですが、その天使は東洋の中年男性で、人の肩を噛むという、風変わりな天使。これまで持っていた清らかな天使とはイメージがあまりに違うのですが、さて、このヘンテコな天使、何を伝えたかったのか・・・が、映画の肝のようです。(咲)
2021年/日本/128分/G
配給:クロックワークス
公式サイト:https://asia-tenshi.jp/
★2021年7月2日(金)テアトル新宿ほか全国公開
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