2021年05月28日
コンティニュー(原題:Boss Level)
監督:ジョー・カーナハン
脚本:クリス・ボーレイ、エディ・ボーレイ、ジョー・カーナハン
出演:フランク・グリロ(ロイ・パルヴァー)、メル・ギブソン(クライヴ・ヴェンター大佐)、ナオミ・ワッツ(ジェマ・ウェルズ)、ミシェル・ヨー(ダイ・フォン)、ケン・チョン(ブレット)
元デルタフォース特殊部隊員のロイは、朝目が覚めたとたんに襲撃される。しか~し対策はばっちり、目をつぶってもよけられる。なぜなら毎日同じ一日を繰り返す無限ループに陥っているから。冒頭は140回近く繰り返している今日。なぜ襲われるのか、敵は誰なのか、このループから抜けられるのか、答えは襲い来る敵を倒して進まねばわからない。銃で撃たれ、爆弾で吹っ飛び、首を切られ・・・と毎日殺されて一日が終わる。そしてまた同じ敵に襲われて一日が始まるのだ。ただ日々レベルアップして変化していることは間違いない。何度もトライ&エラーを重ねるうちに、科学者である元妻のジェマや息子にも危険が及ぶことがわかってきた。
『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(2010)を送り出したジョー・カーナハン監督の最新作です。見た目は地味目なフランク・グリロが主人公。『パージ:アナーキー』(2014)から記憶に残るようになりました。本作は、またもや大好きなタイムループもの。ゲームさながらに戦って戦って主人公が死ぬと、また1からやりなおしです。最近のゲームのように進んだところで、セーブしておくということはできません。昔、小学生だった息子がシューティング・ゲームの「メビウス」をクリアするのに必死だったのを思い出します。ドラクエだって初期はヘンな呪文を長々と書き写し、一字でも違うと続きができなかったのですよ。今はめちゃくちゃ楽。あ、脱線しました。
さて、繰り返すうちにレベルアップし、要領よくなったロイの前には、小ボス、中ボス、ラスボスが立ちはだかりますが、一緒に戦ってクリアするつもりで楽しめます。
途中、香港・中国映画でお馴染みのミシェル・ヨーが登場して「お~!」と喜びました。いつもロイがなかなか勝てない「クワンイン=観音」対策のため。観音役はセリーナ・ロー。この作品で初めて観た気がします。お父さんがブルース・リーとジャッキー・チェンのファンで、セリーナは子どもの頃からマーシャル・アーツを学んでいたんだとか。それで綺麗にアクションが決まるんですね。以後注目。
元妻のほか、ロイの一人息子も登場して、父親としてのロイの心情も知ることができます。(白)
ミシェル・ヨーが出演しているとあっては、これは観なくては!と、観てみました。
冒頭、部屋には招き猫。ロイが毎日お昼に入り浸るのは中国料理のお店。東洋趣味満載と思っていたら、さらに、元妻ジェマから、「イシスとオシリスの物語」の本を渡され、「オシリスを覚えておいてね」と言われます。オシリスは、エジプト神話で冥界の神。死を克服する力を象徴する存在です。なるほど!
ミシェル・ヨーは、剣の名手ダイ・フォン役として、いつもながらの華麗な剣術を披露してくれます。「観音が成敗」と、襲ってくるセリーナ・ローも、独特な雰囲気で忘れられません。中国の彫像などが展示されている博物館のようなところで撮影していましたが、あれはどこなのでしょう? 気になる~
それにしても、毎日毎日、あの手この手で殺されるのは、観ているほうもしんどかったです。(咲)
このところよくあるタイムループものと思ったらひと味もふた味も違う作品でした。なんと冒頭ですでに140回もループ済。殺し屋の手の内はすべてお見通し。攻撃を避けながらコーヒーを淹れてしまう余裕には思わず笑ってしまいます。最近では『パーム・スプリングス』もループものでしたが、あちらは緩~いラブコメ。スピード感満載の本作は同じジャンルには思えません。さまざまなタイプの殺し屋が次から次へとやってきます。よく考えるとけっこうグロい殺され方もするのですが、グロいのが苦手な私が見ていても不快感がないのはテンポがいいからかも。ループの回数を重ねていくにつれ、謎が見えてきます。それとともに元夫婦の強い絆が浮かび上がってきて、そちらの行く末も気になってしまいます。(堀)
2021年/アメリカ/カラー/シネスコ/100分
配給:クロックワークス
(C)2019 Georgia Film Fund 72, LLC All Rights Reserved
http://continue-movie.jp/
★2021年6月4日(金)より新宿バルト9ほか全国公開
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください