2021年05月15日

いのちの停車場

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監督:成島出
原作:南杏子「いのちの停車場」(幻冬舎刊)
脚本:平松恵美子
撮影:相馬大輔
出演:吉永小百合(白石咲和子)、松坂桃李(野呂聖二)、 広瀬すず(星野麻世)、南野陽子(若林祐子)、佐々木みゆ(若林萌)、柳葉敏郎(宮嶋一義)、 小池栄子(寺田智恵子)、伊勢谷友介(江ノ原一誠)、みなみらんぼう(柳瀬尚哉)、 泉谷しげる(並木徳三郎)、森口瑤子(宮嶋友里恵)、松金よね子(並木シズ)、石田ゆり子(中川朋子)、田中泯(白石達郎)、西田敏行(仙川徹)

東京の救命センターで医師として働いていた白石咲和子はある事件の責任をとって、長く勤めた職場を去ることになった。父・達郎が一人暮らしている金沢の実家に戻り、旧知の仙川医師の頼みで「まほろば診療所」の医師として再出発する。仙川と看護師の星野麻世は、近隣の患者の元を訪ねる在宅医療を担っていた。訪問のための足がほしいとき、ちょうど東京から野呂が咲和子を慕ってやってきて、診療所の運転手となった。
これまでの救急医療とは全く違う命との向き合い方に戸惑いつつ、咲和子は周囲に支えられ、患者とその家族のためにより良い医療を考えていく。

末期がんの患者、脳出血後、胃ろうの妻を介護する夫、小児がんの女の子、再発した患者、最先端の医療を除く富豪…様々な症例があります。原作者の南杏子さんは現役医師でもあるので、多くの事実に裏打ちされたフィクションのなのでしょう。中でも老夫婦のストーリーは身につまされますし、幼い子が死と向き合う恐怖や親の心痛を思うと涙せずにいられません。
多様なケースに出逢う咲和子が、老いた父の願いに娘として医師として煩悶するシーンは、演者・吉永小百合さんと田中泯さんの真剣勝負。命をめぐる話の良い締めくくりでした。親子役ですが、実は同い年なんですね。
暗くなりがちなストーリーを、すずちゃんと桃李くんの若さが照らしてくれて、こういう介護師さんや先生がどこの現場にもいてくれたらいいですよね。
昨年総務省が発表した65歳以上の高齢者、2020年は3617万人・総人口の28.7%にのぼったそうです。逆に少子化も進んでいるので、在宅を希んでも担う子どもがいなかったり、子どもはあっても世話は他人に、ということも。その方が割り切れていい場合もあります。
在宅医療の長尾医師のドキュメンタリー『けったいな町医者』、長尾医師の著作が原作の『痛くない死に方』をご紹介し、監督取材もいたしました。いろいろ読んだり見たりするにつけ、これからますます在宅医療が増えていくだろうと思われます。ただ、介護にあたる家族や、夜も昼もなく駆けつけるような仕事をする方々に、その苦労への労わりや感謝や、見合った報酬があってほしいものです。自分だったら「どう生きたいか」ということをいろいろ考えさせられました。
東映グループの会長であり、長くプロデューサーでもあった岡田裕介氏が自ら発案し、製作総指揮にあたった最後の作品。俳優だった頃を覚えています。合掌。(白)


2021年/日本/カラー/119分
配給:東映
(C)2021「いのちの停車場」製作委員会
https://teisha-ba.jp/
★2021年5月21日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 12:43| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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