監督・脚本:河合健
出演:吹越満、大方斐紗子、北香那、西めぐみ、西山真来、髙橋睦子、藤森三千雄、きみふい、細川佳央、河合透真
平成最後の年。関谷市の市長、清水昭雄は令和元年に、太平洋戦争の平和記念館設立を目指している。祖父の清水正一は、まもなく105歳。「戦争には行けなかったけれど・・・」が口癖だ。戦時中から国民学校の教師として子供たちに反戦を訴えていた人物なのだ。
ある日、一通の怪文書が届く。
「平和記念館設立を中止せよ。私は清水正一を許さない」
送りつけてきたのは、街で石材店を営む BC 級戦犯遺族の南野和子。清水正一の教え子でもある。
平和記念館設立を目指す市長と反発する戦犯遺族の攻防劇が始まる・・・
市長、清水昭雄の父の名は、清水国勝。南野和子おばあちゃんに言わせれば、反戦を掲げる清水正一先生が、我が子に国勝などという名前を付けるはずがないという次第。父親がBC級戦犯として死刑になった身には、許されない思いなのがずっしり伝わってきます。
『なんのちゃんの第二次世界大戦』というタイトルから、1989年生まれで戦争を知らない世代の監督が、戦争の記憶のある人たちの証言を集めて作った映画かと思いきや、ちょっと違いました。
南野家の長女・えり子は、街でスナックを営むノンポリなのですが、その娘の紗江は国際ボランティア活動を行っていて、「日本人は太平洋戦争に捉われ過ぎ。太平洋戦争の平和記念館じゃなくて、今、世界で起きている戦争に目を向けて!」と諭します。もう一人の娘である光は祖母と一緒に石材店を営んでいるのですが、和解しようとやってくる市長に敵対心丸出しです。
一方、関谷市では外来種である亀の大量繁殖に悩まされていて、紗江の娘のマリたち小学生は、亀を捕獲するのに追われる日々・・・
奇想天外な物語にあっけにとられたのですが、混沌とした今の世の中そのものだと感じました。生まれた時代によって経験が違って感覚が異なるという、ジェネレーションギャップも見事に描いてました。(咲)
予告編 https://youtu.be/hxNCSuw6m4c
緊急事態宣言中ですが公開致します!
映画『なんのちゃんの第二次世界大戦』主演・吹越満さんより公開に向けてメッセージが到着!
(C)なんのちゃんフィルム
「恐らく、皆さんがタイトルから想像する内容からは、どんどんズレていきます。面白いです。淡路島のおかしな人達がわんさか出てきます。とても変な映画ですが、大マジメな映画です!良い意味で裏切ってくれる作品ですので、どういう映画か想像してから劇場にお越しください!」
2020年/日本/112分/カラー/ビスタ/5.1ch/DCP
配給・宣伝:なんのちゃんフィルム
特別協力:淡路市、洲本市、南あわじ市、(一財)淡路島くにうみ協会、淡路島フィルムオフィス、洲本オリオン
公式サイト:http://nannochan.com/
★2021年5月8日(土) より渋谷ユーロスペースにて、
5月22日(土)より名古屋シネマテークにて公開!他全国順次公開
☆公開中、オンラインでのイベントを実施予定。
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