2021年02月28日
二重のまち/交代地のうたを編む
監督:小森はるか+瀬尾夏美
撮影・編集:小森はるか、福原悠介
録音・整音:福原悠介
録音・撮影助手:佐藤風子、森田具海
出演:古田春花、米川幸リオン、 坂井遥香、三浦碧至
2018年、4人の旅人が陸前高田を訪れる。まだ若いかれらは、“あの日”の出来事から、空間的にも時間的にも、遠く離れた場所からやって来た。大津波にさらわれたかつてのまちのことも、嵩上げ工事の後につくられたあたらしいまちのことも知らない。旅人たちは、土地の風景のなかに身を置き、人びとの声に耳を傾け、対話を重ね、物語『二重のまち』を朗読する。他者の語りを聞き、伝え、語り直すという行為の丁寧な反復の先に、奇跡のような瞬間が立ち現れる。
2011年の東日本大震災をきっかけに東北に移り住んだ小森監督は、『息の跡』(2016)『空に聞く』(2020)の映像作品を制作してきました。2本が一人を見つめた作品だったのに対し、今度の作品は一つの物語を若い4人に手渡すものです。細い支流に分かれた川が流れる土地や人を潤していくような感じがしました。小森監督や瀬尾夏美さんが被災地に住んで、感じたり受け取ったりしたものが、別の人たちに手渡される現場に立ち会ったわけですね。こぼしたり戸惑ったり、素直に感じたことがそのままに、また次へ伝わっていくのでしょう。さて、私自身は何かを受け取ったのか、私から誰かに渡せるものがあっただろうか?(白)
★書籍「二重のまち/交代地のうた」絵・文 瀬尾夏美(書肆侃侃房)3月1日発売
http://www.kankanbou.com/books/essay/0449
2019/日本/カラー/79分/
配給:東風
©KOMORI Haruka + SEO Natsum
https://www.kotaichi.com/
2月27日(土)よりポレポレ東中野、東京写真美術館ホールほか、全国順次公開
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