2021年02月21日
ナタ 転生(原題:新神榜:哪吒重生 英題:New Gods: Nezha Reborn)
監督:ZHAO Ji(趙霽)
脚本:MU Chuan(沐川)
プロデューサー:LU Xi(路晞)
出演:YANG Tianxiang(楊天翔)、ZHANG He(張赫)、XUAN Xiaoming(宣暁鳴)、LI Shimeng(李詩萌)
3000年以上前。7歳の《ナタ》は幼いながら強い魔力を持っている少年神。世界で絶大な権力を持つ一族・東海龍王の息子・三太子に歯向かい、死闘を繰り広げた末に勝利した。息子を殺され激怒した東海龍王は、町民たちの命を盾にナタに脅しをかける。ナタは罪のない彼らを死なせまいと自ら命を絶ったのだった。
そして現代。ナタはバイク好きな青年、李雲祥(リ・ウンショウ)として生まれ変わっていた。東海龍王は町の水を一手に握る徳興グループの会長として、三太子も同じく息子の三公子として生まれ変わっていた。長い間転生を繰り返し同じ運命を背負っていたが、李雲祥だけは自分が何者かまだ気づいていなかった。
これまでの中国アニメーション興行成績1位は『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』でした。2016年の東京アニメアワードで観て、田暁鵬監督の取材もできました(本誌記事)。こんなにクオリティの高いアニメができるようになっていたんだ!と驚いたのですが、さらに進化していました。
最近の中国映画のCGには目を見張っていますが、このフルCGアニメーションもすごいです。登場人物は顔こそアニメキャラですが、台詞に合った唇の動き、表情や衣裳の質感、髭や髪の毛の1本1本、動きにつれて揺れる様の繊細なこと。緻密に描き分けられた背景、そこで繰り広げられるダイナミックかつスピーディなアクションなどなど、あげればきりがありません。この舞台になる町は水不足ですが、水を統べる龍が登場して水がふんだんに出てきます。水の表現が難しいと聞いていましたが、どれだけの資金と手間暇をつぎ込んだのでしょう。大ヒット中なのも納得で、すぐ回収できそうです。
土台は多分中国人なら知らない人はいない、古典の「封神演義」です。文庫2巻組が出ています。スケールの大きなストーリーは、これ1本では到底終わりそうもありません。続編も楽しみです。大きなスクリーンで主人公のつもりになって観たい作品。気になったのが過去も現在も父と息子だけで、母はどこに?(白)
2020年/中国/カラー/117分
配給:チームジョイ
(C)Light Chaser Animation Studios
https://www.nezha.jp/
★2021年2月26日(土)TOHOシネマズ池袋、TOHOシネマズ上野 ほか順次追加予定
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