2021年02月12日

あの頃。

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監督:今泉力哉
原作:劔樹人「あの頃。男子かしまし物語」
脚本:冨永昌敬
撮影:岩永洋
音楽:長谷川白紙
出演:松坂桃李(劔樹人)、仲野太賀(コズミン)、山中崇(ロビ)、若葉竜也(西野)、芹澤興人(ナカウチ)、コカドケンタロウ(イトウ)、西田尚美(馬場)、山崎夢羽(松浦亜弥)、片山友希(奈緒)、中田青渚(靖子)

劔樹人。バイトに明け暮れ、バンド活動もままならず、どんよりと日々を送っていた。見かねた友人が「これ見て元気出せ」と持たせてくれたDVDを再生してみると、そこには弾ける笑顔で歌い踊る松浦亜弥が!思わずくぎづけになる劔の両目から涙があふれた。駆け込んだCDショップの店員ナカウチから「ハロー!プロジェクト」のイベント案内をもらう。かくして劔の新しい人生が幕を開ける。
イベントに参加した劔に、ナカウチは個性的な仲間たちを引き合わせる。劔は彼らとともに、これまでと全く違うくだらなくも愛おしい日々を謳歌する。アイドルに夢中になった時間は思いのほか早く流れ、仲間たちはハロプロよりも優先するものを見つけていく。

「ハロー!プロジェクト」とはアップフロントグループ系列の芸能事務所に所属する女性アイドルグループ・女性タレントの総称、またはメンバーのファンクラブの名称。だそうです。この映画を観るまで、こんなに熱狂的なファンたちがいるのを知りませんでした。お兄ちゃんとは呼びにくい年頃の方もいますが、男性アイドルのほうにおばちゃんファンが混じっているのと同じですね。
新作のたびにこれまでにない役柄を演じているチャレンジャー松坂くん、スターのオーラを封印して、今までで一番どよ~んとした始まりでした。彼を元気づけるハロプロおたくの面々、コズミンも西野もロビもイトウもみんな熱くておかしくて、どうかしているのですが「幸せこの上ない表情」をしています。
思えば私も親戚の人たちに「追っかけしてるんだって!」と言われた時期がありました。自分では正しいファン道を歩んでいただけなんですが、ほかの人にはやっぱりどうかしている、と思われたらしいです(汗)。しかし、楽しかったのは間違いありません。我が人生に悔いはなし(汚点はあるかも)。(白)



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高校を卒業してもうすぐ40年。中高時代に仲が良かった友人とは今でもLINEで繋がっていて、ときどき他愛もない話で盛り上がっている。そんな彼女たちと知り合ったのは中1のこと。「宇宙戦艦ヤマト」のアニメがきっかけだった。ヤマト軍団と揶揄されながらも、声優イベントで静岡から東京まで出掛けたり、夜な夜な電話で語り合ったり。最近は直接会うことはほとんどないけれど、今でも分かり合えると思えるのは、あの頃に密な時間を彼女たちと過ごしたから。
本作はハロプロにすべてを捧げた男たちの青春の日々を描いています。興味の対象こそ違うけれど、根底に流れるものは同じ。好きなものへの一途な愛はすべてをなぎ倒してでも突き進んでしまう。ん~わかるわ~!
松坂桃李のオタクぶりには推しの私も最初はちょっと引いてしまいましたが、弾けるような笑顔がかわいく思えてくるから不思議。新たな魅力の開眼ですね。若葉竜也は『AWAKE』とは大分違った雰囲気でしたが、こっちが素の若葉竜也な気がします。そして仲野太賀はこういったダメ男を演じさせると見事なくらいハマりますね。さすがのひとことです。(堀)


2020年/日本/カラー/シネスコ/117分
配給:ファントム・フィルム
(C)2020「あの頃。」製作委員会
https://phantom-film.com/anokoro/
★2021年2月19日(金)ロードショー

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撮影:景山咲子

◆(咲)さんの公開直前イベントのレポはこちらです。
◆スタッフ日記はこちらです。
posted by shiraishi at 22:58| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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