2021年02月07日

けったいな町医者

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監督・撮影・編集:毛利安孝
ナレーション:柄本佑
出演:長尾和宏

長尾和宏1958年生まれ。在宅医として365日24時間対応で、患者のもとへ駆けつけている。
1995年、病院勤務医として働いていた際に、「家に帰りたい。抗ガン剤をやめてほしい」と言った患者さんが自殺をした。それを機に、阪神淡路大震災直後、勤務医を辞めて、人情の町・尼崎の商店街で開業し、町医者となった。病院勤務医時代に1000人、在宅医となってから1500人を看取った経験を元に、多剤処方や終末期患者への過剰な延命治療に異議を唱えている。2019年末、新型コロナが猛威を振るう直前、カメラは長尾に密着して街中を駆け回った。

著作を何冊か読みました(検索すればたくさんヒットします)。20日から公開される『痛くない死に方』の同名原作もそのうちの1冊です。このドキュメンタリーは、長尾先生の日常を2か月にわたって追いかけ、そのパワフルな毎日を映し出します。
長尾先生は携帯をいつもポケットに入れ、運転中もすぐに対応できるようにセットしています。白衣は着ません。大きなカバンも持ちません。聴診器だけ下げて、患者さんの手を握ったりしながら状態を見ています。「手当て」の始まりです。軽妙な話術と人を包み込むような笑顔で、患者さんと目を合わせて話します。患者さんにとっては全幅の信頼をおける先生。在宅介護はいくらでも不安と疑いが生まれ、疲労や悲しみが積もっていきます。それを吐き出していい、認めてくれる相手がいることで、どんなに救われ、報われるでしょう。
ぜひこのドキュメンタリーを観てから、映画『痛くない死に方』をご覧ください。そちらで主演している柄本佑さんがナレーションを務めています。(白)


尼崎市に住みたい。作品を見ていたらそんな気持ちになった。だって、将来、自分ががん患者になったらチューブに繋がれて、病院で亡くなるよりも、長尾先生がいうところの枯れるように死にたいじゃないですか。しかし、こんなにパワフルに診療をしていて、長尾先生は大丈夫なんだろうか。診察だけではなく、患者のみなさんを楽しませるために、カラオケをメドレーで披露している姿も映し出す。お茶目な長尾先生にちょっと苦笑しつつも、頭が下がる。お疲れで倒れたりしないといいのだけれど。。。
と思っていたら、テレビから長尾先生の声が聞こえてきた。2月6日(土)に放送された TBS「報道特集」に出演していたのである。しかも、がん患者の在宅ケアの話ではなく、コロナ診療をしているという。思わず、テレビにくぎ付けに。発熱してコロナの疑いのある患者さんは屋外で診察し、陽性でも入院先が見つからず自宅療養している人には毎日メールをして、クリニックで診察もしているらしい。
この作品を見て、長尾クリニックがこれ以上混雑してしまったらまずいんじゃないかと思う一方で、できるだけ多くの方にご覧いただいて、同じように考えて診察してくれるクリニックが全国に広がってくれることを願わずにはいられない。(堀)


生きることは、食べること
生きることは、笑うこと
生きることは、歌うこと
生きることは、歩くこと
長尾先生は、「病気の9割は歩くだけで治る」と言います。
医療=薬 と思わせられている現代医療のあり方に警鐘を鳴らしています。
薬の飲みすぎによる障害を考慮し、薬は3つまでと、患者一人一人に合った処方をするというスタンス。
心臓がバクバクするという男性には、「恋してるんちゃう?」
「死ぬの、待ちますわ」という90近い男性には、「あの世、極楽かな?」と絶妙に合いの手を入れます。
私は尼崎に程近い神戸の東灘区で15歳まで育ったので、このほんわりとした、まるで漫才のボケと突っ込みのような言葉のやりとりは、まさに日常だったのを懐かしく思い出します。笑うことで心も身体も活性化するのだなぁ~と長尾先生をみていて思いました。こんな先生に出会いたい♪ (咲)


2020年/日本/カラー/116分
配給・宣伝:渋谷プロダクション
(c)「けったいな町医者」製作委員会
公式サイト:http://itakunaishinikata.com/kettainamachiisha
★2021年2月13日(土)よりシネスイッチ銀座ほか関西地方ロードショー

◆毛利安孝監督インタビューを掲載しました。
http://cineja-film-report.seesaa.net/article/479979524.html


posted by shiraishi at 18:20| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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