2021年01月23日

ヤクザと家族 The Family

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監督・脚本:藤井道人
撮影:今村圭佑
音楽:岩代太郎
主題歌:millennium parade「FAMILIA」
出演:綾野剛(山本賢治)、舘ひろし(柴咲博)、尾野真千子(工藤由香)、北村有起哉(中村)、市原隼人(細野)、 寺島しのぶ(木村愛子)、 岩松了(大迫刑事)、豊原功補(加藤正敏)、菅田俊(竹田)、康すおん(豊島)、二ノ宮隆太郎(大原)、 磯村勇斗(木村翼)

1999年。山本賢治は父親が覚せい剤中毒死し、身寄りがなくなった。悪友の細野や大原とつるむうち、たまたま柴咲組の組長が襲われたところを救う。密売人からクスリを横取りした賢治たちは、侠葉会に捕まって袋叩きに遭ってしまった。柴崎の名刺を持っていたことで命拾いし、賢治は目をかけてくれた柴咲の盃を受け、家族の一員となった。
2005年。賢治はいっぱしのヤクザとして頭角を現し、ホステスの由香と出会った賢治は安らぎを得ていた。しかし因縁の侠葉会と柴咲組の争いは激化、一触即発の危機にあった。狙われた柴咲は賢治の機転で助かるも、大原が死亡。警察の介入で動きを封じられるが、納得できない賢治は一人侠葉会へと向かう。
2019年。14年ぶりに柴咲組に戻った賢治は、激変した世の中に驚く。由香とようやく再会できたのだが…。

2019年『新聞記者』で注目を浴びた藤井道人監督のオリジナル脚本。昔ながらの義理と人情を重んじる侠客といった風情の柴咲組に対し、覚せい剤も臓器売買も金になると思えばなんでもありの侠葉会。命のやりとりをしたあげく、暴力団対策法(※)の施行もあって時代の波に取り残されるのは真面目なヤクザのほうでした。
柴崎役の舘ひろしが、居場所がない者を引き受ける度量の広さを見せ、かける声音に情の深さを感じました。突っ張って生きてきた賢治が柴咲を前に手放しで泣くところ、心開いて家族になっていくのにホロリとします。『日本で一番悪い奴ら』(2016)でまるでヤクザのような悪徳警官を演じた綾野剛、作品の味わいも違いますがこちらの一本気な賢治が哀切。助演の俳優陣もぴたりとはまって、新しい仁侠映画を観た気分です。(白)

※ 暴力団対策法:1992年、2012年に施行。暴力団の無力化に大きく役立ち、企業や地域社会への影響力を減じる契機となった。

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綾野剛が初めてヤクザ役に挑んだ作品です。やんちゃな19歳からちょっとくたびれた感のある39歳までを演じていますが、違和感がない!本人のやる気が伝わってきますね。アクションシーンもありますが、綾野剛はスタントなしで取り組んでいます。19歳のころ、ヤクザを怒らせてしまうことをやらかし、追い詰められて逃げるシーンでは車に轢かれるところまでご本人が演じました。すごいですよね。
そして『あぶない刑事』などから刑事の印象が強い舘ひろしがヤクザの組長を演じています。綾野剛が演じる山本を息子のようにかわいがるのですが、登場シーンから男気全開の色気オーラが爆発。ヤクザだけれど、こんなお父さんだったらついていきたくなるのも分かる!
山本の兄貴分を演じるのは『新聞記者』から引き続きの北村有起哉。セリフや行動はないけれど、じっと見つめる視線に嫉妬が滲みます。さすがとしかいえません。(堀)


ヤクザは足を洗っても、銀行口座も保険も家も5年経たないとまともに対応してもらえないとのこと。ヤクザと関わった女性もまた大変な人生をおくっている様を、尾野真千子と寺島しのぶが体現していました。尾野真千子演じる由香は、ホステスとして賢治と出会いますが、学費を稼ぐために仕方なく高収入のホステスをしているという風情。大学を出て、手堅く公務員になっています。寺島しのぶ演じる木村愛子は柴咲組の元若頭だった夫を抗争で亡くし、賢治が柴咲組の組長と出会う食堂を健気に切り盛りしています。ヤクザの子として生まれた人生もまた大変なことを、母親として息子を見守っている姿も素敵でした。(咲)

2019年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:スターサンズ/KADOKAWA
(c)2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会
https://yakuzatokazoku.com/
★2021年1月29日(金)より全国公開
posted by shiraishi at 23:56| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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