2021年01月17日

越年 Lovers

劇場公開 2021年1月15日 劇場情報
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©2020 映画「越年」パートナーズ

監督・脚本:郭珍弟(グオ・チェンディ)
プロデューサ::片原朋子 吉村和文 饒紫娟 陳世庸
美術:陳炫劭 遠藤雄一郎  VFX:嚴振欽
照明:譚凱富  衣裳指導:黃中觀 宮本まさ江
サウンドデザイン:羅頌策
編集:陳博文
音楽:トマ・フォゲンヌ
原作:岡本かの子「越年 岡本かの子恋愛小説集」(角川文庫)/「老妓抄」(新潮文庫)

出演 役柄(俳優名)
第1部
シャオラン(ヤオ・アイニン)インシューにビンタされた会社員
インシュー(オスカー・チュウ)シャオランをビンタした元同僚
イエナ(レニー・リー)おせっかいなシャオランの同僚
第2部
佐藤寛一(峯田和伸)太郎の幼なじみ
西村碧(橋本マナミ)太郎の恋人
文月(菜葉菜)斎藤先生の娘
太郎(結城貴史)寛一の幼なじみ
第3部
モーリー(ユー・ペイチェン)
チェンナン(ウー・ホインシュウ)

岡本かの子の小説を元に、日本、台湾、マレ ーシアの年越しの風景を舞台に、恋に不器用な3組の男女がが織りなす3つのオムニバス物語。素直になれない風変わりな恋が描かれる。

第1話 台北。会社の帰り、エレベーターに乗ろうとしたら、いきなり同じ会社の男性インシューにビンタされた女性シャオラン(ヤオ・アイニン)。このシーンから始まる。次の日会社に行ったらインシューは前日でやめていた。おせっかいな同僚の女性イエナにあおられ、インシューが住んでいるという迪化街へ二人で探しに行く。なぜ、いきなりビンタをくらったかわからず、会社に訴えるか仕返しするか、二人はインシューを探し歩く。二人はインシューをみつけられるのか。なぜ彼はシャオランをなぐったのか。

第2話 雪の山形が舞台。東京で暮らす寛一の元に親友の太郎から電話があり、故郷の山形に向かう。山形に久しぶりに帰った寛一は幼なじみで初恋相手の碧と数十年ぶりに再会する。斎藤先生の家に幼なじみが集まり新年会。蔵王に行ったり、碧の実家の西村写真館を訪ねたりするが、太郎とは連絡がつかない。山形弁と山形のおいしいものが出てきて、山形県人でなくても郷愁を感じた。太郎は何のために寛一を山形に呼び出したのか。しかし、肝心の太郎はいない。二人の間の進展はあるのか。

第3話 台湾彰化。亡き母が営んでいた食堂を片付けるモーリー。モーリーは片付けながら幼い頃を思い出していた。店には客がいっぱいいて、料理を客に出すのを手伝っていた。彰化は牡蠣の養殖が盛んで、店の自慢料理は牡蠣そうめん。みんなこれを食べていた。チェンナンがやってきて作業を手伝う。水槽には魚がいる。風が強い場所らしい。そして雨まで降ってきた。雨音や雨漏りの中、二人はたわいもない話をする。モーリーは「ここに長くいるつもりはない。この家を売るつもりだから、水槽の魚たちをお願い」と頼む。チェンナンは「本心なのか?」と聞く。そしてトラックで帰っていくのだが…。

恋なのか、そうでないのか、そんな恋心の目覚めのようなものが描かれる。でも、こんな恋があってもいいと思わせてくれる。年越ししたら新しい人生に出会えるかもしれない。
第一話。私にとっては、去年行った台北の迪化街が出てきてびっくり。新型コロナウイルスの影響で海外旅行が制限される直前に台湾に行き、この問屋街にも行った。以前、ここの朝市にも行ったことがある。乾燥海産物がたくさん並んでいた。そして、第一話の伏線に中国の往年の女優・歌手である白光(パイクァン)の映像やマレーシアにある白光の墓地が出てきた。もしかしたら流れていた曲も白光のものだったのかも。調べてみたけど使われた曲の情報はわからずだった。
第二話の舞台は山形で、このところ続けて行っている山形国際ドキュメンタリー映画祭の時に行く場所や食べ物などが出てきてうれしかった。山形駅前、山形交通のバスセンター、霞城公園、蔵王スキー場地蔵岳山頂 樹氷、玉こんにゃくと稲花(いが)餅などなど。しかもこの稲花餅を食べていた喫茶店は、私も入った喫茶店だった。そこで私も稲花餅を食べた(笑)。もっとも、その時期はそこしかやっている店がなかった。それに、渋谷駅のシーンで岡本かの子の息子である岡本太郎の絵が出てきた。そこも、私がいつも通るところ。
第三話に出てくる彰化は行ったことがない場所だったけど、「牡蠣そうめん」がおいしそうだった。食べてみたい。新型コロナ感染の非常事態で、あちこち出かけられないので、旅気分を楽しみながらこの映画を観た。(暁)。


ちなみに2020年最後に観た映画が『越年 Lovers』でした。その時の感想をシネマジャーナルHP スタッフ日記に書いています。
・2020年最後に観た映画『越年 Lovers』と2021年最初に観た映画『きらめく拍手の音』(暁)
http://cinemajournal.seesaa.net/article/479577610.html

台湾、日本、マレーシアの年越しの風景の中で不器用な3組の男女が織りなす恋物語をオムニバスで綴っています。岡本かの子が80年ほど前に書いた小説「越年」と「家霊」に着想を得た台湾の女性監督・郭珍弟が脚本を書きました。
第1話は男性社員が女性社員を帰りしなに平手打ちすることから話がスタート。好きな子に意地悪をしたくなる男の子心理はいくつになってもかわらないもの? 女性には理解できませんね。
第2話は深々と降り積もる雪景色が美しいのですが、見ている方まで寒くて凍ってしまいそう。ともに山形出身の橋本マナミと峯田和伸が互いに想いあっているのに言葉にできないじれったさをじんわりと魅せてくれます。
第3話は(暁)さんも書いているように牡蠣そうめんが美味しいそう。どうやって作るのか、知りたくなります。(堀)


公式サイト:http://etsunen.com
製作:ジェイアンドケイ・エンタテインメント ダイバーシティメディア
花千樹電影有限公司 現代電影沖印股份有限公司 台北市電影委員會
(財)台北市文化基金會 臺北市文化局 臺北市政府
協力:彰化縣 山形県 山形フィルムコミッション
配給・宣伝:ギグリーボックス
後援:台北駐日経済文化代表処
2019年製作/116分/G/台湾・日本合作 中国語 日本語/シネマスコープ


posted by akemi at 11:57| Comment(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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