2020年12月29日
エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット
監督:南部充俊
撮影:千葉真一
音楽:青柳拓次
出演:菅谷晋一、ザ・クロマニヨンズ(甲本ヒロト、真島昌利、小林勝、桐田勝治)、THE OKAMOTO’S(オカモトショウ、オカモトコウキ、ハマ・オカモト、オカモトレイジ)、青柳拓次、VLADO DZIHANほか
デザイナーの菅谷晋一は元々大学では建築を学び、卒業後は家業の町工場を手伝った。デザインは全くの独学でどこにも属さず、今もたった一人でものづくりをしている。南部充俊監督は自分の会社のロゴマークデザインを菅谷に依頼している。好きなことを仕事にし20年続けている菅谷の生き方に共鳴して、自ら監督として菅谷に密着した。作品の製作過程を記録したドキュメンタリー。
見覚えのある絵柄にこの人が描いていたのか!と興味深々。技法が多岐にわたっているというのに、アトリエが整然としているのにまずびっくりしました。モノづくりを始めると(私は)周りにあれこれ積みあがったり拡がったり、どんどんモノが増えていってしまいます。菅谷さんは頭の中にすっかりイメージが出来上がっていて、必要なものがすぐに取り出せて無駄がないのでしょう。ああ羨ましい。作っている間中楽しそうで、迷って悩む風もありません。物腰も柔らかく、それでいてきっぱりと納品します。
レコードジャケットは最初に目にする手にできる「情報」で、デザインはとっても大事なんです。ジャケ買いするほど。菅谷さんの一見ヘタウマ風のデザインはすごく印象的です。中身とぴったりで「これ面白そう」な感じがするんですよね。
高校の美術の時間、一度だけレコードジャケットを作りました。いろいろな文字を組み合わせて作った、たった一枚のレコードジャケット、どこへいっちゃったかな。(白)
菅谷晋一さんは絵を描き、オブジェを作り、版画を刷り、写真を撮り、コラージュをし、映像のディレクションまで、ビジュアルをあらゆる手段で表現し、ザ・クロマニヨンズ、OKAMOTO'Sなどのアートワークを手がけてきました。
作品ではザ・クロマニヨンズの13枚目となるアルバム「PUNCH」の制作に密着しながら、本人やこれまで菅谷さんと仕事をしてきたザ・クロマニヨンズとOKAMOTO'Sのメンバー、関係者のインタビューを織り交ぜながら、菅谷さんのアートワークの「つくりかた」を紐解いていきます。
菅谷さんのソフトな話しぶりから穏やかな人柄が伝わってきます。しかし、ザ・クロマニヨンズとOKAMOTO'Sのメンバーが口を揃えて話すには、菅谷さんは捨て案を一切用意せず、自信を持って完成した作品を提出するとのこと。プロとしての矜持を感じます。最新作はボルト2つをデザインしたものですが、なぜボルトなのか。その謎は作品の最後に明らかにされ、菅谷さんの仕事に対する意識の高さを改めて感じました。(堀)
2020年/日本/カラー/96分
配給:SPACE SHOWER FILMS
(C)2020「エポックのアトリエ」製作委員会
https://epok-film.com/
★2021年1月8日(金)ロードショー
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください