監督:タムラコータロー
原作:田辺聖子
脚本:桑村さや香
総作画監督:飯塚晴子
主題歌:Eve
声の出演:中川大志(鈴川恒夫)、清原果耶(ジョゼ)、宮本侑芽(二ノ宮舞)、興津和幸(松浦隼人)、Lynn(岸本花菜)、松寺千恵美(山村チヅ)
海洋学を専攻する大学生の恒夫はメキシコに生息する幻の魚を見ることを夢見て、バイトに精を出している。ある日坂道を失踪してくる車椅子に気づき、間一髪で乗っていた女の子を助けることができた。小柄な彼女の名前はジョゼ、ずっと車椅子生活でおばあちゃんと暮らしている。家まで送り届けた恒夫に、祖母のチヅさんは管理人バイトを持ちかける。それはジョゼの注文を聞いて叶えてやること。口が悪くて一筋縄でいかないジョゼに恒夫は振り回されるが、まっすぐにぶつかりながら投げ出すことなく、どこまでも付き合った。ジョゼは少しずつ頑なだった心を開いて、外へ踏み出そうとする。
一足早くTIFFで観ることができました。2003年の実写版(犬童一心監督)では、妻夫木聡さん池脇千鶴さんに涙していました。自分の名前はジョゼだというクミ子は、フランソワーズ・サガンの小説のヒロインから名前をとっています。その主人公に重ねるほど気に入っているというわけで、女の子というより大人の女性です。原作はもっと大人向きでした。
アニメーションでリメイクされたこちらは、より軽やかに明るくなって大分趣が変わっていました。アニメーションなら小中学生でも楽しんで観られますね。そしてもう少し大きくなったら実写版や原作も見てください。
(白)
アニメならではのポップな色使い、世界観にぐいぐい引き込まれます。原作は田辺聖子の同名小説。こんな話を書く人だったとは! 原作は未読で、実写版も未見だったので、ラストの展開に驚きました。でも、これもハッピーエンドなんでしょうね。主人公の声を当てたのは中川大志、清原果耶。2人の顔が思い浮かばないくらい完璧に声が役柄に溶け込んでいました。
車椅子生活の孫を心配する祖母の気持ちは分からなくもないけれど、自分の年齢を考えたら、ジョゼが1人で生きていけるように厳しく接しなければいけないのではないかと思うものの、いざその立場になったらできないかもしれない。子育て経験者は自分の子育てを振り返ってしまうかもしれません。(堀)
2020年/日本/カラー/98分
配給:松竹、KADOKAWA
(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project
https://joseetora.jp/
★2020年12月25日(金)ロードショー
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