監督:波多野貴文
原作:秦建日子「サイレント・トーキョー:And so this is Xmas」(河出文庫刊)
脚本:山浦雅大
撮影:山田康介
美術:黒瀧きみえ
出演:佐藤浩市(朝比奈仁)、西島秀俊(世田志乃夫)、石田ゆり子(山口アイコ)、中村倫也(須永基樹)、広瀬アリス(高梨真奈美)、井之脇海(来栖公太)、勝地涼(泉大輝)、
12月24日、クリスマスイブ。買い物客でにぎわう東京。「恵比寿に爆弾をしかけた」とテレビ局に電話が入った。「どうせガセだろう」という高沢先輩と半信半疑で現地へ向かった来栖公太。青い顔でベンチに座っていた主婦山口アイコは、先輩を座らせるなり「立ち上がったら爆発する」と公太と警備員の元へ走る。どこにいるともしれない犯人の指示通りに実行しなければならない。犯人からの要求が動画サイトに上がった。「標的は渋谷ハチ公前。要求は首相との生対談」18時という刻限が迫る中、渋谷は警備が強化されるが、知らずに来た人や野次馬でごったがえす。
始まりからラストまで、最初に巻き込まれたアイコや公太、朝比奈、来栖、渋谷署や捜査一課の刑事たち、と次々と視点が変わっていきます。クライムサスペンスであり群像劇でもあり、爆破事件と人間関係がこのスピードで語られるので、99分におさまりました。しっかりついて行ってください。
日本でも何度かテロや戦争がありましたが、国境も地続きの欧米と違って最近の危機意識は低いでしょう。そんなところに爆破事件が続いたらどうなるか?自分があの群衆の一人だったら?と想像してみてください。ぞっとしませんか?世界中のあちこちで起きていることでもあります。
秦建日子の原作はジョン・レノンとオノ・ヨーコの「Happy Xmas(War Is Over)」にインスパイアされて執筆されたのだそうです。本当に戦争は終わったの?幸せなクリスマスを祝っていいの?と、胸がキリキリっと痛みます。(白)
この作品の最大の見せ場は渋谷のスクランブル交差点の爆破シーンです。栃木県の足利競馬場跡地に再現されたオープンセットに高速レールを設置してハイスピードカメラを走らせ、一気に撮影しました。エキストラも一般の方々ではなく、アクション部の人たちが参加し、爆風で吹っ飛ぶ様子をみなさん自力で飛んでいます。タイミングを合わせるのが非常に難しく、何度も何度もトライそう。また爆破前はまばゆいほど色とりどりの灯が輝いている渋谷が爆破後は暗くなる。その落差にリアリティを感じさせていますので、ご覧になったら、しっかり体感してください。(堀)
リアル謎解きゲーム!開始
『サイレント・トーキョー:Another X-DAY』12/1(火)~12/14(月)
渋谷の街中に貼られた映画『サイレント・トーキョー』のポスターを探し、
犯人から届く「爆破予告」に記された謎解きに挑戦。
詳細はこちら https://silenttokyo.roadcast109.com/top
2020年/日本/カラー/シネスコ/99分
配給:東映
(C)2020 Silent Tokyo Film Partners
https://silent-tokyo.com/
★2020年12月4日(金)ロードショー