2020年11月11日

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒(原題:Missing Link)

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監督・脚本:クリス・バトラー(脚本『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』)
撮影:クリス・ピーターソン
プロダクション・デザイン:ネルソン・ロウリー
視覚効果スーパーバイザー:スティーヴ・エマーソン
音楽:カーター・バーウェル
声の出演:ヒュー・ジャックマン(ライオネル卿)、ゾーイ・サルダナ(アデリーナ)、ザック・ガリフィアナキス(Mr.リンク)、
エマ・トンプソン(長老)、他

ヴィクトリア朝時代の英国。探検家のライオネル・フロスト卿は、未確認生物の発見に執念を燃やしている。厳寒の湖で巨大生物を取り逃がし、命からがら戻ってきたばかりだが意気軒昂だ。伝説の生物の存在を証明して、なんとしても”貴族クラブ”に入会したい。ある日アメリカワシントン州から「ビッグフットの居場所を教える」という手紙が届いた。一人アメリカへと向かったライオネル卿が住所の森の奥へ進んでいくと、大きな生物が走って行くのが見えた。追いかけると彼こそが人類の遠い祖先である生きた化石=ミッシング・リンクだった。
種族で唯一の生き残りだという彼にリンクと名付け、残っているかもしれない仲間に会うために、伝説のシャングリラを探すことになった。その地図は…。
ミッシング・リンクとは?
生物進化の過程を鎖に見立て、その中の「失われた環」を意味する言葉。類人猿から人間へと進化する過程にいるはずの、未だ発見されていない未知の生物のこと。

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『KUBO クボ 二本の弦の秘密』や『コララインとボタンの魔女』などで知られるアニメーションのスタジオライカの最新のストップモーションアニメ。一コマごとにキャラクターを動かして撮影する大変に手の込んだ方法です。そこへVFXで動きや特殊効果を加え、あたかもライオネル卿たちが自ら動いているようなリアルな画面を作っています。あの英国紳士感満点のツイードのスーツ、アデリーナのドレスも手作りなのです。公式HPにメイキングの動画がありますので、ぜひご覧ください。その現場を自分の目で見てみたいなぁ!
たった一人で生きてきたリンクは、知的で明るく人を疑いません。名誉欲が強く自信家のライオネル卿がリンクと旅するのは自分のためなのですが、アデリーナに背中を押され(どつかれ)、リンクの素直さにも影響されていきます。たくさんのエピソードを93分で見せるストーリーテリングのうまさ、魅力的なキャラクター、映像の美しさと迫力を十二分に堪能してください。豪華な俳優陣が声優を務めています。
第77回ゴールデングローブ賞で最優秀長編アニメーション映画賞を受賞。第92回アカデミー賞の長編アニメーション部門にノミネート。(白)


ハズれものコンビが美女とともに繰り広げるアドベンチャーは安心のストーリー展開で子どもにもわかりやすく、安心して楽しめます。実写だったら物足りなかったかもしれない緩さが3Dアニメーションだからこそ心地いい。
貴族クラブの会員になることにこだわった主人公を見ていると、ヴィトンのバッグで大学に通う華やかなグループに入りたくて悶々としていた学生時代の黒歴史を思い出すものの、30年が経った今、黒歴史もすっかり熟成されて、もはや笑い話になっていることに気が付きました。
下手にこだわると周りが見えなくなってしまうけれど、自分らしくあればそれでいい。作品が伝えてくれるメッセージが実感を伴って納得できる年代にハマる作品なのかもしれません。(堀)


2019年/カナダ、アメリカ/カラー/シネスコ/93分
配給:ギャガ
(C)2019 SHANGRILA FILMS LLC.
https://gaga.ne.jp/missing-link/
★2020年11月13日(金)新宿バルト9ほか全国順次公開
posted by shiraishi at 18:17| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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