2020年11月08日
セルゲイ・ロズニツァ「群衆」ドキュメンタリー3選 『国葬』『粛清裁判』『アウステルリッツ』
カンヌ国際映画祭で二冠、近作10作品すべてが世界三大映画祭に選出されながら、日本では未公開だったセルゲイ・ロズニツァ監督作品。
この度、【セルゲイ・ロズニツァ「群衆」ドキュメンタリー3選】として、『国葬』『粛清裁判』『アウステルリッツ』が一挙公開されます。
セルゲイ・ロズニツァ
1964年ベラルーシ生まれ、ウクライナの首都キエフ育ち。現在、ベルリン在住。
1991年、ソ連崩壊後、モスクワの全ロシア映画大学で学び、1996年よりソクーロフの製作で有名なサンクトペテルブルク・ドキュメンタリー映画スタジオで映画製作を始める。
◆『国葬』
(C)ATOMS & VOID
1953年3月5日、スターリンの死。本作は、独裁者スターリンの国葬の記録。
モスクワ郊外クラスノゴルスクでスターリンの国葬を捉えた大量のアーカイヴ・フィルムが発見される。当時、200名弱のカメラマンによりソ連全土で撮影された、幻の未公開映画『偉大なる別れ』のフッテージだった。セルゲイ・ロズニツァは、それを丁寧に紡ぎ、67年前に執り行われた国葬と、スターリンの訃報に触れたソ連各地の人々の姿を蘇らせている。
2019年/オランダ、リトアニア/ロシア語/カラー・モノクロ/135分
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★11/14(土)公開初日、13時〜『国葬』上映後にロズニツァ監督のZoomセッション開催
◆『粛清裁判』
(C)ATOMS & VOID
1930年、モスクワ。8名の有識者が西側諸国と結託しクーデターを企てた疑いで裁判にかけられる。いわゆる「産業党裁判」と呼ばれるスターリンによる見せしめ裁判だ。90年前のソヴィエト最初期の発声映画『13日(「産業党」事件)』は、発掘されたアーカイヴ・フィルムにより捏造と判明する。スターリンの台頭に熱狂する群衆の映像が加えられ再構成されたアーカイヴ映画は、権力がいかに人を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を誕生させるか描き出す。
2018年/オランダ、ロシア/ロシア語/モノクロ/123分
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◆『アウステルリッツ』
(C)Imperativ Film
真夏のベルリン郊外。スマートフォン片手に大勢の人たちが門を潜っていく。そこは第二次世界大戦中にホロコーストで多くのユダヤ人が虐殺された元強制収容所。戦後75年、記憶を社会で共有し未来へ繋げる試みはツーリズムと化していた・・・
ドイツ人小説家・W.G.ゼーバルト著書「アウステルリッツ」より着想を得て製作した、ダーク・ツーリズムのオブザベーショナル映画。
2016年/ドイツ/ドイツ語、英語、スペイン語/モノクロ/94分
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各作品の紹介を感想と共に掲載しています。あわせてご覧ください。(景山咲子)
配給:サニーフィルム
公式サイト:https://www.sunny-film.com/sergeiloznitsa-films
★2020年11月14日(土)~12月11日(金)シアター・イメージフォーラムにて3作一挙公開 全国順次ロードショー
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