監督:アンドリュー・アーウィン ジョン・アーウィン
原作:バート・ミラード
音楽:ブレント・マッコークル
出演:J・マイケル・フィンレイ(バート)、マデレイン・キャロル(シャノン)、デニス・クエイド(父 アーサー)、トレイス・アドキンス(スコット)
テキサスで、両親と暮らした子どもの頃、父・アーサーからたびたび暴力を受け、かばってくれた母も家を出てしまった。なぐさめとなるのはキャンプで出会った少女シャノンと音楽だった。高校生になって父の期待するアメフトに打ち込むが、けがのため断念。音楽部に入って裏方をしているうち、歌の才能を見いだされる。
父と大喧嘩をしたバートは家を飛び出して音楽の道へと進んでいく。バートはクリスチャン・バンドのボーカルとしてキャリアを積みプロデューサーのスコットに出会う。しかし業界から酷評されたことから自信をなくし、故郷へと戻ってくる。アーサーは過去を悔やみ、なんとかバートと解り合おうと努力していた…。
史上最も売れたコンテンポラリー・クリスチャン・ソング"アイ・キャン・オンリー・イマジン"がどのようにして誕生したのか?この曲を作ったロックバンド"MercyMe"のボーカル、バート・ミラードがインタビューを受けるところから映画が始まります。暴力をふるう父から逃れて母が10歳で家をでてしまい、一人で耐えたこと。言葉でなく手が出る父の葛藤を知るのは、ずっと後のことです。
シャノンは子どものころからバートの支えになっているのですが、夢にまい進するバートはシャノンの気持ちをくまずに別れてしまいます。女の子のほうが早く大人になるんですね。
失意のバートが故郷へ戻ったことで、ようやく父と向かい合うのですが、そのきっかけが父の病気。それでも間に合ったことを喜ぶべきでしょう。どんなに辛いことも、それがあってこその今、と思えばこの曲の歌詞がしみてきます。当初、この曲を気に入ったエイミー・グラントに提供するはずだったのを、エイミーが「あなたの曲」と本人に歌わせたエピソードにも感動しました。
主人公バート役をブロードウェイの舞台で活躍し、本作が映画デビューとなるJ・マイケル・フィンリー、父アーサー役をデニス・クエイドがそれぞれ演じています。日本公開版エンディング・テーマ曲はDedachiKenta: 「アイ・キャン・オンリー・イマジン feat.小坂忠」オリジナル日本語歌詞のこちらも素敵です。(白)
無名のミュージシャンが、父親からの虐待のトラウマを乗り越えて、名曲を生み出すまでのストーリー。
どうしても傷つけ合わなければ生きていけない悲しい人間の性…人間にとっていちばん大切なことは「ゆるすこと」だと教えてくれる。「アメージング・グレイス」が奴隷船の船長が「神に赦された」と感激するって話は、ちょっと複雑な心境だった。神は赦しても黒人は赦さないかも。BLM。しかし、キリスト教は根強い。全人類のすべての罪を背負って死んだ人がいたなんて、考えたらほんとうに凄みのある話だと思う。コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックってジャンルが存在することも知らなかったけど…若い人たちが信仰を歌にしてライブで熱狂するなんて、、日本でもコンテンポラリー踊念仏とか流行ってほしい。
ゆるすことは、ゆるされること。特定の信仰はなくても、奇跡は起こるだろう。美しい歌声に癒されました。 (千)
2018年/アメリカ/カラー/シネスコ/110分
配給:EASTWORLD ENTERTAINMENT、カルチャヴィル
(C)2018 IMAGINE Rights, LLC. All Rights Reserved.
https://www.universal-music.co.jp/icanonlyimagine/
★2020年11月13日(金)全国順次ロードショー
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