2020年10月29日

愛しの母国(原題:我和我的祖国 My People, My Country)

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総合監督:チェン・カイコー
監督:グアン・フー、 チャン・イーバイ、 シュー・ジェン、 シュエ・シャオルー、 ニン・ハオ、ウェン・ムーイエ
主題歌:フェイ・ウォン
出演:ホアン・ボー、オウ・ハオ、レン・スーシー、チャン・イー、ハン・ハオリン、ファン・ユジェ、リウ・タオ、サイモン・ヤム、カラ・ワイ、グォ・ヨウ、ワン・ドン、ティエン・チュアン・チュアン、リウ・ハオラン、アーサー・チェン、ソン・ジア、トン・リーヤー

Episode1:『前夜』監督:グアン・フ―
1949年9月30日、新中国建国式典の前日。寝食を忘れて国旗掲揚装置を開発したリン・ジーユエン(フォン・ボー)。式典本番で滞りなく掲揚されるよう、最後の確認中だったが、次々と予期せぬ問題が起こる。

Episode2:『すれ違い』監督:チャン・イーバイ
1964年。国家の秘密プロジェクトに携わっている科学研究者ゴーエン(レン・スーシー)は、被爆したため任務から外れる。3年ぶりに町へ向かい、声をかけてきたのは、何も知らせないまま別れた恋人だった。本当のことが言えないまましらを切りとおすゴーエン。

Episode3:『初恋』監督:シュー・ジェン
1984年8月8日 上海の電気屋の息子ドンドン。女子バレー中国代表チームはロサンゼルスオリンピックで決勝戦に進んだ。中国全土が最後の一戦を見守っている。ドンドンは初恋の女の子が引っ越しするのでお別れを言いたいのに、テレビの調整が忙しくなって抜けられない。

Episode4:『回帰』監督:シュエ・シャオルー
1997年7月1日、香港がイギリスから返還される。きっかり0分0秒に国旗掲揚を行うため、旗揚げ係のジュートゥ、式典警備員、外交官、それぞれの時計完璧に調整したのは、ある時計職人(サイモン・ヤム)だった。

Episode5:『Hello 北京』監督:ニン・ハオ
2008年8月7日、北京オリンピック開会式の前日。タクシー運転手のチャン・ペキン(グォ・ヨウ)は開会式のチケットを会社の福引で引き当てる。嬉しくて乗客に見せびらかしていたら、ある少年が譲ってくれと頼み込む。断って目的地で降ろすが、チケットが消えて現金800元が残されていた。

Episode6:『流れ星』監督:チェン・カイコー
貧しい土地に生まれ育ったオーディラとハザブの兄弟。生きるために何でもしてその日暮らしを続けていた。リー老人(ティエン・チュアン・チュアン)は貧困地域を再生を願って尽力し、二人を疑うことなく受け入れ兄弟も心を開いていく。

Episode7:『青い空』監督:ウェン・ムーイエ
2015年9月3日。抗日戦争勝利記念日の軍事パレードを控え、女性パイロットのリュショーランは飛行チームの控えを命ぜられた。幼いころからの夢だったが、親友に託す決心がつく。

新中国建国70年記念作品。チェン・カイコー総合監督のもと、チェン監督含む7人の監督が、歴史的節目となる7つの出来事を選んでオムニバス映画としました。予算も潤沢で(たぶん)国を代表する監督がメガホンを取り、全土の国民がこぞって観に行ったはず。歴代8位の大ヒットです。
中国の戦後の節目となる出来事を中心にすえ、国を讃えた作品ですが、主人公は偉大な業績をあげた人物ではなく、それぞれの仕事を全うして生きる小市民たちです。つつましく送る日々の小さなエピソードを重ねて、中国という国の大きな歴史の流れを俯瞰することができました。この時に日本では何があったのか、自分が何をしていたのか振り返りました。(白)


中国礼賛の映画ながら、市井の人を主人公にしているところが憎いです。
Episode1:『前夜』では、北京の伝統的な四合院でスパイの捜査をする姿が上空から映し出されました。あの美しい四合院の並ぶ通りも、中国の目覚ましい近代化で今やわずかしか残されてないことに思いを馳せました。天安門広場での式典で、滞りなく国旗掲揚されるまでの、てんやわんやに、くすっと笑わせられましたが、その後の天安門広場での出来事を思うと複雑。
Episode2:『すれ違い』には泣かされました。国家のために恋人とも別れ秘密裏に核の開発に携わったあげく被爆・・・ 国家が偉業を成し遂げた号外に歓喜しますが、なんとも気の毒。
Episode3:『初恋』は、とっても可愛い物語。通りに椅子を並べてテレビを見る皆のためにアンテナを調整しなくてはならないけれど、引っ越してしまう女の子にどうしても会いたい男の子。通りではないけれど、テレビのある家に集まって皆で見たなんて時代が日本にもありましたね。
Episode4:『回帰』は、サイモン・ヤム(任達華)が出ているというだけでも嬉しい物語でしたが、1997年6月30日に香港にいた私にとって、格別の思いがありました。警備にあたっていた警官の方と言葉を交わした時に、中国回帰後の帽章をポケットから出して見せてくれて、0時きっかりにこれに替えるといわれたのです。まさに帽章を替える場面がありました。
Episode5:『Hello 北京』、グォ・ヨウ(葛優)が出てくるだけで笑ってしまいます。ほんとに名優!
Episode6:『流れ星』、内モンゴルの広大な地を舞台にした、盗みを繰り返す兄弟の物語。兄弟が改心することになる沙漠に落ちてくる流れ星の正体は・・・??
Episode7:『青い空』、抗日戦争勝利70周年の軍事パレード。優秀だからこそ裏にまわってもらったと言われても、晴れの舞台に出られないのはやっぱりつらいでしょう・・・ 
それぞれに味わい深い作品でした。(咲)



2019年/中国/カラー/シネスコ/155分/
(C)2019Huaxia Films
配給:wow cool entertainment
HP:www.wowcoolentertainment.com
★2020年10月30日(金)より東京・グランドシネマサンシャインにて1週間限定公開
10月31日(土)より大阪シネ・ヌーヴォ ほか全国順次公開。

posted by shiraishi at 13:11| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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