監督:深田晃司
原作:星里もちる
脚本:三谷伸太朗、深田晃司
撮影:春木康輔
音楽:原夕輝
出演:森崎ウィン(辻一路)、土村芳(葉山浮世)、宇野祥平(葉山正)、石橋けい(細川尚子)、福永朱梨(藤谷美奈)、忍成修吾(峰内大介)、北村有起哉(脇田真一)
辻一路30歳、サラリーマン。職場の女性二人とあいまいな関係を続けながら、何事にもさめている。ある晩、コンビニで出会ったばかりの女性の車が踏切で立ち往生しているのに出くわし、必死で助け出した。彼女は葉山浮世、儚げで不思議な魅力があるが、その場しのぎのウソをついて状況をさらに悪くしてしまう。辻はなぜか放っておけなくて、次々と浮世のトラブルに巻き込まれていく。
コミック原作がメ~テレ(名古屋テレビ)の連続ドラマになり、好評を得て劇場公開用に再編集。カンヌ映画祭のオフィシャルセレクション2020に選出されました。
星里もちるさんのそれまでの軽いラブコメと一味も二味も違うこの作品、ドラマの惹句が「共感度ゼロ」でした。この主人公二人にどれだけイライラさせられたことか。なんでそうなる?の連続です。それでも先の展開が気になって観ないわけにいきません。そんなドラマをディレクターズカット版で一気見ですよ。楽しみでしょ?
深田監督が長年撮りたいと願ってきた原作での、初の連続ドラマ。愛憎劇を作りながらも、楽しい現場であることを心掛けたそうです。躍進目覚ましい森崎ウィンが闇を抱えた辻を、天然のトラブルメーカー・浮世を土村芳(つちむらかほ)、一癖ある脇役陣たちが彩りと深味を加えています。登場人物の誰にシンパシーを感じるかで、あなたの本音が見えるかも。約4時間の長丁場(途中休憩あり)ですが、引き込まれるので長く感じません。
今年の東京国際映画祭は深田晃司監督特集を組みました。最新作の本作はじめ、『淵に立つ』『よこがお』『東京人間喜劇』を上映します。(白)
森崎ウィン演じる主人公の辻が社内で二股をすると聞き、正直、見るまですごく気が重たかったのですが、見始めたら、全然嫌な感じじゃない! むしろ、ヒロインに振り回されっ放しで、気の毒になってきます。でも男の人ってこういうタイプに弱いんだろうなぁ。絶対に夫や彼氏を近づけてはいけません。
二股を掛けられた細川先輩には好感を持ちました。クールに見えて、嫉妬ゆえに強気な行動を取ってしまうこともあり、人間味にあふれています。彼女の選択には拍手を送りたくなります。
北村有起哉が演じるヤクザは男性の色気がムンムンしています。危険な香りにころっといってしまいそう。もしかしたら、男性にとって妻や彼女を近づけてはいけないタイプなのかも!(堀)
2020年/日本/カラー/シネスコ/228分
配給:ラビットハウス
(C)星里もちる・小学館/メ~テレ
https://www.nagoyatv.com/honki/
★2020年10月9日(金)より全国順次公開
ヒューマントラストシネマ渋谷にて、森崎ウィン、土村芳、深田晃司監督による初日舞台挨拶を行います。
書き起こし記事はこちら
(撮影:白石)
【関連する記事】