2020年08月30日

パヴァロッティ 太陽のテノール ( 原題:Pavarotti )

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監督・製作:ロン・ハワード
脚本:マーク・モンロー
出演:ルチアーノ・パヴァロッティ、ボノ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、アンドレア・グリミネッリ、アンジェラ・ゲオルギュー、キャロル・ヴァネス、ヴィットリオ・グリゴーロ、マデリン・レニー、ズービン・メータ、ユージン・コーン、ラン・ラン

テノール歌手のルチアーノ・パヴァロッティは、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスと共に「世界三大テノール」として名をはせた。1990年にローマの遺跡カラカラ浴場で開催された野外コンサートでは、「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」を歌い上げるなど、三大テノールの世界的なブームをけん引。故ダイアナ妃との交流もあり、プライベートでは妻や娘たちを愛する良き夫であり良き父親だった。

感動!号泣…。至福の115分である。三大テノールの中でも声量、音域、声の色艶、表現力とも群を抜いていたパヴァロッティの人となりもつぶさに描かれたドキュメンタリー。オスカー受賞録音技師が手掛けた最新音響技術により、各楽曲が鮮やかに蘇る。プッチーニ「トゥーランドット」は、天上を突き抜け宇宙へこだまするよう♪ドニゼッティ「連隊の娘」でのハイC(超絶高音)連打には恍惚としてしまう。
往年の名テノール、カルーソーには間に合わなかったけれど、パヴァロッティは同時代人であった幸せを実感した。旅立って13年。未だに鮮烈な歌声と人柄をプラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、ズービン・メータ、U2のボノ、2人の妻、愛人(!)、3人の娘、生地イタリア・モデナでの幼少期を知る人々の証言から、魅力的な素顔が綴られる。

ダイアナ妃との交流、ボランティア活動といったオペラの世界の枠に収まらない生き方、太陽光を浴びた向日葵のような笑顔で大好物のパスタを作る姿、全てが愛おしい。
繰り出される楽曲は、プッチーニ「ラ・ボエーム」、ヴェルディ「リゴレット」、ドニゼッティ「愛の妙薬」などなど名編ばかり20曲。極め付けは、レオンカヴァッロの「道化師」だろう。伸びやかに力強く、情感に満ちた歌唱。歌い終わってからの表情に溢れる余韻が堪らない。聴衆の心を鷲掴みにし、まさに”神に選ばれし声”だ。

音楽ドキュメントに手練た名匠ロン・ハワード監督ならではの編集テンポとリズムで、膨大なアーカイブ映像を捌いてみせる。オペラファンならずとも必見のドキュメンタリー誕生を喜びたい。(幸)


音楽に疎い私は恥ずかしながら、本作で初めてパヴァロッティの名前を知り、唄声を聞きました。彼の名声を決定づけたテノールの「ハイC」を披露する場面も登場します。オペラ好きには至福の2時間でしょう。
本作ではそういった音楽シーンでなく、人間パヴァロッティにもスポットを当てているところが興味深い。娘ジュリアーナが難病にかかったとき、付き添うためにコンサートやオペラ、すべてをキャンセルしたというエピソードから家族思いの一面が伝わってきます。しかし、大切にしてきた家族を捨てて愛人との生活に走ってしまうのだから人間ってわからないもの。寂しがり屋が裏目に出たのでしょう。人懐っこい笑顔を見せるパヴァロッティの陰の部分も隠さずしっかり描いています。
また、ダイアナ妃やU2のボノとの出会いも見逃せません。ダイアナ妃と出会ったことで慈善事業の目覚め、それを通じてボノと交流が始まったいきさつも丁寧に描いていました。
ドラマチックなパヴァロッティの人生を多面的にたっぷりと味わえる2時間です。(堀)


配給:ギャガ
ビスタサイズ/5.1chデジタル/2019年製作/115分/G/イギリス・アメリカ合作
© 2019 Polygram Entertainment, LLC – All Rights Reserved
公式サイト:https://gaga.ne.jp/pavarotti/
★6月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ他にて全国順次ロードショー
posted by yukie at 15:44| Comment(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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