2020年08月14日

グッバイ、リチャード!(原題:The Proffesor)

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監督・脚本:ウェイン・ロバーツ
制作:グレッグ・シャピロ
出演:ジョニー・デップ(リチャード)、ローズマリー・デウィット(ヴェロニカ)、ダニー・ヒューストン(ピーター)、ゾーイ・ドゥイッチ(クレア)、 ロン・リビングストン(ヘンリー)、オデッサ・ヤング

「余命180⽇です」。⼤学教授のリチャードはがんが見つかり、突然の余命宣告を受けて呆然とした。大学では博学でエレガント、家庭では真⾯⽬な夫として、美しい妻と素直な娘との何不⾃由ない暮らしを送っていたリチャードの⼈⽣は⼀変。妻に病気を告げようとしたら、先に上司との不倫を告⽩されてしまった。娘もカミングアウトする。近づく死を前にもう怖いものはない。リチャードは、残りの⼈⽣を⾃分のためだけに謳歌しようと決⼼した。これまで自分に禁じてきたものを試し、ルールや⽴場に縛られずに送る日々は充実し、病気を忘れさせ、喜びをもたらした。

役を選ばず(選んでいるのかしら?)どんな役も嬉々として演じているように見えるジョニデ様。『シザーハンズ』(1990)以来のファンです。当時「なぜ皮のカバーを作らないんだ!」と突っ込んでいました。『チャーリーとチョコレート工場』(2005)で来日したときは、ティム・バートン監督のオーラに隠れてなんだかじりじりと後ろに下がっていく姿が印象的でした。
それはさておき、がん末期で死を待つだけ、という設定は我が実父と同じで身につまされるものがありました。もう遅いですがリチャードのように最期は自由にさせてあげたかったです。重いお涙頂戴話にせず、ジャック・スパロウのように軽やかに生きさせてくれたウェイン・ロバーツ監督(脚本も)えらい。きっとジョニデ・ファンに違いない。
友情厚きピーターにダニー・ヒューストン。いつも重厚な役が多いので今回は見違えました。(白)


このところ奇抜なビジュアルのイメージが強かったジョニー・デップですが、この作品では彼が端正な二枚目だったことを改めて実感。しかも渋い大人の魅力もたっぷり。奥さんが不倫した理由がわからない!とついついリチャード寄りの発言をしたくなります。
リチャードは本気で学ぶ姿勢が見られない学生に出ていくよう命じ、受講する学生の人数を激減させ、講義中に酒を飲み、生徒に調達させたマリファナを吸う。これまでできなかった自由な生き方を始めたリチャードの姿は同日公開される『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の主人公たちと重なりました。とはいえ、真面目に生きてきたからこそ、最後まで心配してくれる娘や友人がいたのだという気もします。
余命宣告後をどう生きるか。シリアスなテーマですが、重くなり過ぎず、最後まで軽やかに描くことができたのはジョニー・デップの存在が大きいことは確かです。(堀)


2018年/アメリカ/カラー/FLAT/5,1ch/91分
配給:キノフィルムズ
配給協⼒:REGENTS
(C)2018 RSG Financing and Distribution, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
http://goodbye-richard.jp/
公式Twitter/Instagram: @gb_richardJP
★2020年8月21日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
8⽉17⽇(⽉)〜タイアップキャンペーン続々
posted by shiraishi at 14:47| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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