2020年08月14日

きっと、またあえる   原題:Chhichhore

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監督:ニテーシュ・ティワーリー(『ダンガル きっと、つよくなる』)
出演:スシャント・シン・ラージプート、シュラッダー・カプール、ヴァルン・シャルマ、プラティーク・バッバル 、ターヒル・ラージ・バシン、ナヴィーン・ポリシェッティ、トゥシャール・パーンデー、サハルシュ・クマール・シュクラ、ムハンマド・サマド

アニルッド(通称アニ)の息子が受験に失敗して自殺をはかり、病院に運び込まれる。アニと息子を励まそうと、アニのボンベイ工科大学時代の寮の悪友たち7人が駆けつける。アニたちのいた4号寮は、建物もボロボロで、競技大会でもどの種目も最下位。他の寮からは負け犬と呼ばれていた。汚名を返上しようと団結して頑張ったエピソードを、息子に次々に聞かせる・・・

原題『CHHICHHORE』は「チチョーラー」という形容詞の複数形で、軽薄な、生意気な、というような意味とのこと。皆で馬鹿をやった1992年の学生時代が、ほろ苦くもユーモア満載で語られます。超エリート校であるボンベイ工科大学に入学できて意気揚々のアニ。でも、あてがわれた古びた4号寮には、一癖も二癖もある寮生ばかり。とんでもない学生生活でしたが、エリートが集まり建物も綺麗な3号寮から引き抜きを受けても、アニは移りませんでした。何年も経って、一大事の時に駆けつけてくれる仲間たち。人生における大切な宝物です。
インド工科大学ボンベイ校出身の監督が、自身の寮生活をいつか映画にしたいと思っていたところに、息子が受験に苦しむ姿を見て本作を製作。人生失敗したっていいんだと勇気づけられます。

松岡環さんのブログ「アジア映画巡礼」に、『きっと、またあえる』のコレに注目!として、現在、<1>から<13>まで掲載されています。鑑賞のご参考に♪
『きっと、またあえる』のコレに注目!
<1>予告編来ましたぁ!!
<13>来場者プレゼントが待っている!!
<2>~<12>は、自力で探してください♪
そして、残念なことに主役のアニを務めたスシャント・シン・ラージプートさん、この6月に亡くなられました。享年34歳。詳細はこちらで
ご冥福をお祈りします。(咲)


インド工科大学ボンベイ校をモデルにしたボンベイ工科大学の卒業生の今と昔(学生時代)を交互に描き、人生は環境ではなく、誰と何をすることかが大事であることを描いた作品です。とはいえ、浮かび上がってくるのはインドに浸透する学歴社会。カースト制度と違って自分の努力で何とかなるからでしょうか。インドでも熾烈な受験戦争が繰り広げられているのが伝わってきます。そして、トップ校に入学できたとしても、その中でまた序列がある。それを覆すために奮闘する主人公たちの姿を笑いと涙で映し出します。しかし、人間というものはどこまでいっても順番をつけたくなるものなのですね。(堀)

2019年/インド/ヒンディー語、英語/143分
配給:ファインフィルムズ
公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/chhichhore/
★2020年8月21日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかほか公開



posted by sakiko at 09:56| Comment(0) | インド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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