2020年08月01日

れいこいるか

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監督:いまおかしんじ
脚本:佐藤稔
出演:武田暁(伊智子)、河屋秀俊(太助)、豊田博臣、美村多栄、時光陸、田辺泰信

1995年1月17日の神戸。伊智子と太助は、阪神淡路大震災により一人娘のれいこを亡くしてしまった。その後夫婦は離婚し、2018年に再会する。二人は親子3人で出かけた思い出の水族館を訪ねて、れいこの好きだったイルカショーを見る。日常が戻ってきたかに見えていても、いなくなった人は戻らない。

あの早朝、阪神・淡路を襲った大震災から25年が経ちました。最大震度7の揺れもさることながら、冬のさなかで朝食前の時間だったせいか、あちこちで火の手があがり、消火が追い付かずまたたくまに大きな火災となりました。黒煙を上げる神戸市内、横倒しになった高速道路、紙の工作のように壊れてしまったビルや家屋の画像が蘇ってきます。
映画には被災した街の情景はありません。亡くなった家族や友人を思い続けている人たち、その中の”いるかが好きだった娘”を亡くした一組の夫婦のその後が描かれています。
いまおか監督が亡くなった友人・知人を思い出しつつ、映像の中に刻みこんだ作品。
奔放で明るい伊智子を演じた武田暁(あき)さんは劇団で活躍している女優さんでこれが映画初主演。太助を演じた河屋秀俊さんには見覚えがありました。離婚したけれど嫌いになったからじゃない、口数少ないけれど愛情深い夫で父親だった人がそこにいました。

谷川俊太郎さんの「ことばあそびうた」(福音館)の「いるか」の詩を思い出します。
いるかいるかいないかいるか
いないいないいるか…… 
この作品を観た後は「れいこいるか」「いないいない」と続いて、涙がにじみそうです。(白)


2019年/日本/カラー/シネスコ/110分
配給:ブロードウェイ
(C)国映株式会社
https://reikoiruka.net-broadway.com/
★2020年8月8日(土)新宿 K’sシネマほか全国順次公開
posted by shiraishi at 20:25| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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