2020年07月19日

誰がハマーショルドを殺したか(原題:Cold Case Hammarskjold)

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監督:マッツ・ブリュガー
出演:マッツ・ブリュガー、ヨーラン・ビョークダール

1961年9月18日。第2代国連事務総長ダグ・ハマーショルドは、アフリカのコンゴ動乱における停戦調停のため、時の権力者モイーズ・チョンベ大統領に会うべくチャーター機でコンゴの空港を飛び立った。しかし途中、ローデシア(現ザンビア)にて謎の墜落事故を起こし、ハマーショルドと15人の乗員は全員死亡。その後も詳しい調査が行われず、長らく原因不明の事故として扱われていた。この、「冷戦期最大の謎のひとつ」(米ワシントン·ポスト紙)とされてきた未解決事件にデンマーク人ジャーナリストで監督のマッツ・ブリュガーと調査員のヨーラン・ビョークダールは7年の歳月を費やして調査を続けた。

一つの疑問がさらに大きな謎を呼んで、いったいどうなるのかと固唾を飲んで観ました。よくぞこれだけの証言を集めたと感心。どうか誰も消滅させられていませんように。白人至上主義について、こんなにあけすけに語られた作品も初めて見た気がします。ウィルスをばらまこうとしたなんて、今余計にぞっとします。裏の裏、その裏まであるのかもしれません。
多くの謎が出てきますが、二人の秘書がところどころで監督に観客の代弁をするかのように、疑問をまとめて質問してくれます。いまどきタイプライターは使わないでしょうから、ミステリーの古典を模した演出でしょう。ドキュメンタリーとドラマの境界があいまいですが、歴史をなぞりつつスパイ映画なみに楽しめました。(白)


白い服を着たマッツ・ブリュガー監督が作品の内容を章立てして語り、それを秘書のような黒人女性にタイプで記録させます。ところが何だか違和感が。。。あれ、秘書の女性ってこの人だった? 実は秘書は2人いて、別々に同じようなことをさせていたのです。監督の不思議な演出に混乱するかもしれません。
ハマーショルドの飛行機事故を追っていた監督ですが、実行部隊の指揮官的な人物が浮かび上がってくると、芋づる式にいろいろなことが分かってきます。その辺りから何だか演出がドキュメンタリーなのかフィクションなのか境目が曖昧に。エンドロールにいたっては驚くような演出で仕立て上げています。えっこれってどこまでが本当のことだったの? 

もしかしたらとんでもなく恐ろしい事実にたどり着いてしまい、ストレートに描けなかったのかもしれません。作品の中から真実のみを掬い取ってほしい。声にできない叫び声が聞こえたような、聞こえなかったような。。。(堀)


2019年/デンマーク,ノルウェー,スウェーデン,ベルギー/カラー/シネスコ/123分
配給:アンプラグド
(c)2019 Wingman Media ApS, Piraya Film AS and Laika Film & Television AB
http://whokilled-h.com/
★2020年7月18日(土)より渋谷シアターイメージフォーラムほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 13:39| Comment(0) | 北欧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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