監督・脚本:飯塚健
原作:重松清「ステップ」(中公文庫)
撮影:川島周
音楽:海田庄吾
出演:山田孝之(武田健一)、田中里念(武田美紀/9~12歳)、白鳥玉季(武田美紀/6~8歳)、中野翠咲(武田美紀/2歳)
伊藤沙莉(ケロ先生)、川栄李奈(成瀬舞)、角田晃広(村松良彦)、片岡礼子(村松翠)、広末涼子(斎藤奈々恵)、余貴美子(村松美千代)、國村隼(村松明)、岩松了、日高七海、中川大志
武田健一は結婚して3年目、妻の朋子は2歳の美紀を残して病気で亡くなってしまった。朋子の両親は美紀を引き取ろうかと声をかけてくれたが、そこここに妻の気配が残っている家で美紀と二人の生活を選ぶ。会社と子育てとの両立のために、様々な壁にぶつかりながらも健一は歩みを進めていく。美紀は周りに見守られすくすくと育ち、健一は奈々恵に出逢った。いつしか10年が経とうとしていた。
久しぶりに「普通」の山田孝之さんです。ほんとにいろんな役を演じてきましたが、シングルファーザーは初めてです。実生活では小学生の息子さんが一人。この映画で娘の父になって、息子に対するのとはまた違っていることに気づかれたとか。
ワンオペ育児のたいへんさは、日々奮闘するママたちには周知のこと。健一に共感したりエールを送ったり、支える同僚や義父母たちがいていいなぁと羨んだり。
私は見守る祖父母の気持ちになってしまいました。娘婿にどこか頑なだった明と緩やかに近づいていくシーンも沁みます。いろんな方向から観ることができる作品でした。(白)
うまくいかない育児への苛立ち、仕事を残して退社する後ろめたさ、自分だけ周りから取り残されるような焦燥感。主人公の表情から伝わってきます。立て板に水のように喋っていた『全裸監督』のときとは別人のよう。(白)さんが書いているように、今回は普通の人の山田孝之です。どちらも演じられるのが彼の強みですね。
そして、この悩みはけっしてシングルファーザーだけが感じることではありません。育児をしている人なら誰もが経験すること。みんな、ああすればよかった、こうすればよかったといくつもの後悔を抱えながら、その日その日を送っていきます。
子どもの年齢によって親の苦労は違いますが、そのときどきにあわせて娘と向き合う主人公の姿に、育児真っ最中の世代は共感を、育児が終わった世代は懐かしさを感じるに違いありません。(堀)
2020年/日本/118分/G/
配給:エイベックス・ピクチャーズ
(C)2020映画「ステップ」製作委員会
https://step-movie.jp/
★2020年7月17日(金)より全国ロードショー
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