2020年07月08日
悪人伝(原題:The Gangster, the Cop, the Devil)
監督・脚本:イ・ウォンテ
撮影:パク・セスン
音楽:チョ・ヨンウク
出演:マ・ドンソク(チャン・ドンス)、キム・ムヨル(チョン刑事)、キム・ソンギュ、ユ・スンモク
ヤクザの組長チャン・ドンスが、ある夜何者かにめった刺しにされたが一命を取りとめた。逆らう者に容赦のないドンスは、対立組織の仕業に違いないと部下に探らせる。警察ではみ出し者ののチョン刑事は、まだ誰も結びつけていない連続無差別殺人の手口と似ているのに気づく。上司に無許可で、手がかりを求め執拗にドンスにつきまとうチョン刑事。双方譲らず、互いに競うように犯人捜しをするが、いったん手を組んで犯人を追うことになった。
韓国映画はいつも痛いシーンが多いのですが、この作品は輪をかけて痛い!!韓国初登場1位でバイオレンス・アクションとしては異例の大ヒットだったとか。『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)で男気のある乗客を演じて人気が沸騰したマ・ドンソクが、貫禄たっぷりのヤクザの組長役。いかにもなダブルの背広を着こなして、身体も(たぶん心持も)なんだか一回り大きくなったように見えます。連続殺人犯にめった刺しにされる組長ですが、あの体格、筋肉がナイフを内臓まで届かせなかったに違いありません。この人は悪役をやってもどこか可愛いところがほの見えて、ファンが”マブリー(マ+ラブリー)”と”呼ぶのも納得です。マーベルの映画『エターナルズ』のヒーローの一人として出演(2021年公開予定)します。18歳でアメリカに移住した韓国系アメリカ人なので、言葉に不自由はないのでしょう。
マーク・ウォルバーグを若くしたようなキム・ムヨルも、ドンソク兄貴に負けずに身体を張ったアクションを見せました。目をひかれたのは不気味な殺人犯役のキム・ソンギュ。ほかの出演作も観たくなります。きっと別の表情を見せるはず。本作はアメリカでリメイクされるとか。スタローン制作ですが、誰が主演するのかな?(白)
厳つい風貌だけれど心根は優しい役どころが続いたマ・ドンソク。本作では久しぶりに本格的なワルを演じます。
自分を襲った相手を絶対に許さないとばかりに、自分の組の若い連中を使い、総力を挙げて犯人捜し。敵対するグループに対しては冷酷ともいえる仕打ちをします。しかし、一般人に対してはさりげない優しさを見せるあたりは『FLU 運命の36時間』とは違うかも。死んでも死なない?マ・ドンソクをたっぷり堪能できる作品です。(堀)
マブリー筆頭に男気たっぷりの『悪人伝』ですが、その中で、紅一点、私が注目したのが警察の鑑識係を演じているキム・ギュリさん。今、BSイレブンで放映中のドラマ「パーフェクトカップル」で、子育てそっちのけで金遣いが荒く、離婚をつきつけられた我がまま女を演じていて、それが地のようで絶品。『悪人伝』では出番は少しだけど、ちゃんとチャ・ソジンという名前もついてます。はつらつとした鑑識係。映画の最後に、主な出演者の写真と名前が出るのですが、女性はキム・ギュリさん一人です。(咲)
2019年/韓国/カラー/シネスコ/110分
配給:クロックワークス
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http://klockworx-asia.com/akuninden/
★2020年7月17日(金)ロードショー
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