2020年06月27日

イップ・マン 完結(原題:葉問4 Ip Man4)

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監督:ウィルソン・イップ
脚本:エドモンド・ウォン
撮影:チェン・チュウキョン
音楽:川井憲次
アクション監督:ユエン・ウーピン
出演:ドニー・イェン(イップ・マン)、ワン・ゾンホア(ウー・ユエ)、スコット・アドキンス(バートン・ゲッデズ)、チャン・クォックワン(ブルース・リー)、ヴァネス・ウー(ハートマン・ウー)、クリス・コリンズ(コリン・フレイター)、ケント・チェン(ポー刑事)

1964年、イップ・マンはアメリカ在住の弟子ブルース・リーの招待を受ける。初めは固辞していたが、思いがけず病気の宣告を受けたことから、単身サンフランシスコに渡った。ブルース・リーと再会した後、中華総会のワンや武術家たちと出会い、異国で移民として生きる同胞の厳しい現実を知る。ワンは太極拳の達人でもあったが、中国武術を敵視する海兵隊軍曹バートンに度重なる嫌がらせを受けていた。バートンとの戦いで敗北し、ワンは重傷を負ってしまう。イップ・マンは香港に残してきた息子に、父親としての思いを伝え、病を隠して正義と誇りを守るために最後の戦いへと向かう。

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ドニー・イェンの代表作となった伝記シリーズ第4作にして最終作です。2008年『イップ・マン 序章』2010年『イップ・マン 葉問』2015年『イップ・マン 継承』と続編を重ねて、アクションもドラマもさらに充実していきます。戦争で日本軍に豪邸を接収され財産もなくし、生活が困窮する中での夫婦愛に泣かされました。アクションなしのシーンでさえ、イップ・マンの佇まいが美しいです。
ドニー・イェンは11才の時に家族で香港からボストンへ移住。父は香港の新聞の編集者、武術家の母親は、移民でしかも女性であることで理不尽な扱いを受けながらも、積極的に外国人を生徒に迎えて武術を広めようとした方。作品中の華人たちの描写にドニーの想いも入っていたのではないでしょうか。イップ・マンはブルース・リーの師匠というだけではなく、シリーズで描いてきたように好んで戦わない、控え目な人です。ドニー・イェンは詠春拳の達人イップ・マン像をしっかりと完成させ、代表作としました。(白)


物腰が柔らかく、礼節をわきまえたイップ・マンですが、これぞという対戦の時には、鋭い手さばきで打ち負かします。ドニー・イェンが体現したイップ・マンは実に優雅で、惚れ惚れします。
前作『イップ・マン 継承』では、病に倒れた奥様との最後の日々が描かれていて、涙なしには観られませんでした。『イップ・マン 完結』では、イップ・マン自身が病に冒され、一人残される息子の行く末を案じる親心が描かれています。これまた涙です。
当初、5月8日(金)公開予定で、5月にはムービープラスで、これまでの3作が上映されました。スタッフ日記に感想を書いています。こちら!
イップ・マンの人生を、どうぞ振り返ってみてください。(咲)


子育てって難しい。こんなことをこの作品で書くとは思いませんでした。
がんで余命がわずかだと知ったイップ・マンの考えたことはケンカで高校を退学になった息子のアメリカ留学。病を隠して渡米し、入学には地元の名士の口添えが必要と知れば伝手をたどる。詠春拳葉問派の宗師でブルース・リーの師匠でもあるほどの人物がこんなに俗っぽいことをするなんて! 一方、息子本人はアメリカに行く気はなく、むしろ父の教えを受けて、詠春拳葉問派を学びたいと思っています。親の希望と子の思いがすれ違う。子育てって難しいですね。イップ・マンと息子が選んだ進路はいかに!(堀)


2019年/香港/カラー/シネスコ/105分
配給:ギャガ・プラス
(C)Mandarin Motion Pictures Limited, All rights reserved.
https://gaga.ne.jp/ipman4/
★2020年7月3日(金)より新宿武蔵野館ほかロードショー
posted by shiraishi at 15:31| Comment(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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