2020年06月21日

凱里ブルース 原題:路边野餐

6/6(土)~シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
劇場情報
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© Blackfin(Beijing)Culture & MediaCo.,Ltd - Heaven Pictures(Beijing)The Movie Co., - LtdEdward DING - BI Gan / ReallyLikeFilms

監督・脚本:畢贛(ビー・ガン)
撮影:ワン・ティアンシン
録音:リアン・カイ
美術:ズー・ユン
編集:クィン・ヤナン
音楽:リン・チャン
出演:チェン・ヨンゾン/ヅァオ・ダクィン/ルオ・フェイヤン/シエ・リクサン/ルナ・クオックほか

公式HP

2015年/110分/中国
配給:リアリーライクフィルムズ+ドリームキッド

今年2月に日本公開された『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』(2018)。そのビー・ガン監督のデビュー作が、この『凱里ブルース』である。日本ではこの作品は2015年に開催された中国インディペンデント映画祭で上映されたが、『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』の公開を経て、このデビュー作も公開されることになった。

監督の故郷である貴州省東部の凱里(かいり)を舞台に、幻想的に描いた作品。
亜熱帯の霧と湿気に包まれた凱里市の小さな診療所に身を置いて、老齢の女医とともに仕事をしているチェン。幽霊のように暮らすチェンだが、彼が刑期を終えてこの地に帰還したときには、彼の帰りを待っていたはずの妻はすでに亡く、亡き母のイメージとともにチェンの心に影を落としている。さらに可愛がっていた甥も弟の策略でどこかへと連れ去られてしまった。チェンは甥を連れ戻す為に、そして女医のかつての恋人に想い出の品を届ける為に旅に出る。
彼が辿り着いたのは時間の流れが他とは違う、過去の記憶と現実と夢が混在する不思議なところだった。
『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』でも描かれた、主人公の魂の彷徨ともいうような独自のスタイルが、すでにこの作品でも描かれ、ノーカットのロングショットは、ここでも40分間にわたって展開されていて、監督独自のスタイルがこの作品ですでに描かれている。『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』は、このデビュー作をバージョンアップさせたともいえるだろう。

私がこの『凱里ブルース』を初めて観たのは、2015年の中国インディペンデント映画祭でのこと。なんだかウォン・カーワイ的世界観のある作品だなと思った記憶がある。夢とも現実ともわからない世界を彷徨するという浮遊感。失った者に対する時を超えた交流ともいえるような独自のスタイル。バイクや車や船を乗り継ぎ、たどり着いた場所は洞窟だったり、トンネルだったり。そして鏡や時計、扇風機、風車がモチーフで描かれる。いなくなったものたちと共有した場所や時間をイメージしたものなのか。観るものの想像力を試しているような作品。私の中では山道をバイクで行くシーンが脳裏に残っている(暁)。
posted by akemi at 11:55| Comment(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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