2020年03月07日

ダンシングホームレス

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監督:三浦渉
出演:アオキ裕キ、西篤近、小磯松美、平川収一郎、横内真人、伊藤春夫、渡邉芳治、山下幸治

「新人Hソケリッサ!」は、路上生活者や路上生活経験者だけで構成されたダンスグループ。路上での公演活動を中心に活動している。主催者のアオキ裕キは振付師として活躍していたが、2001年留学先のニューヨークで9・11に遭遇。生き方やダンスとの向き合い方を考え直すことになった。アオキは「あらゆるものを捨ててきたからこそ、唯一残された原始的な身体から人間本来の生命力溢れる踊りが生み出されるのだ」という。れぞれの人生からすべてをそぎ落としたメンバーは、生きるために舞う。

ダンスやバンドのメンバーが一つの目標に向かって汗を流し、努力が報われる作品が好きです。観ているだけなのに応援した気分になれます。それが眼福のイケメングループだったりするともっと楽しいです。
ところがこの作品に登場するのは、対極にあるような(失礼)おじちゃんやお兄ちゃんです。「ええ~ダンスぅ?」と半信半疑で観始めました。顔も実名も出している一人一人がここに至るまでの人生を話すのを聞いて、ゆらゆら動いているのを見ているうちに不思議に引き込まれました。身一つで生きてる人のむき出しの生命力が誘うのかもしれません。路上でのパフォーマンスに幸運にも遭遇したら「元気でやってますね」と嬉しくなりそうです。
「新人Hソケリッサ!」は東京都美術館や金沢21世紀美術館、山形トリエンナーレ等でも公演。国内だけに留まらずリオ五輪プログラム「with one voice」や、イギリスでも公演を果たす。またアーティストの寺尾紗穂や箕輪☆狂介(厚介)、現代美術家とのコラボレーションも多数。NEXTREAM21最優秀賞受賞。(白)


ダンスとタイトルにあるけど、実際に観たら舞踏のイメージで、この作品を観てギリヤーク尼ヶ崎さんを思い出しました。ギリヤークさんも路上でこのような舞踏を長年踊っているのです。私にとって新宿南口などなじみのある場所が出てきて、この方たちに街で会っているかもと思いました。また西成地区も。この3年くらい大阪アジアン映画祭に行くときは、予算が少ないので西成地区のホテルで3,4泊しています。2500円くらいで泊れるのです。それなりですが。けっこう外国人もたくさん泊まっています。でも最初に行った時は、西成地区があいりん地区や釜ヶ崎に近いと認識していませんでした。あとで聞いて、このあたりがそうだったんだと思いました。映画祭に行くと朝早く出て、夜中にしか帰ってこないので、2年くらい、ここに通天閣があることも知らなかったのですが、去年初めて通天閣にも行きました。新世界というのがここだというのも知りました。そのそばにあいりん地区や釜ヶ崎はあったのだなと、この映画を見て通天閣が出てきて、この街に思いを馳せました。
この映画で「この街の臭い」という言葉が出てきましたが、それに反応してしまいました。私にとって西成地区は街全体にタバコの臭いがただよっているというイメージだったのですが、それが「この街の臭い」なのかどうかはわかりませんが、この映画の中で言っていたのは、この臭いのことなんだろうかと思ってしまいました。私はタバコの臭いが苦手なので、それだけはこの街の嫌なところではあるのですが、大阪人や大阪出身の人に西成で泊まっているというと、あんな危険なところで?といわれますが、そういうイメージではありませんでした。ただ、私は表玄関のメインストリートあたりをうろうろしただけなので、裏のほうに行ったらそういう感じもあるのかもしれません。それにしても大阪人の中にそういう偏見があるのだなと思いました。何人にも言われました。
おっちゃんたちのダンスは気持ちよさそうで、このダンスは彼らにとって心のよりどころになっているのだろうと思いました。試写が終わってから、出演していたおっちゃんたちがいたので、その話をしたら、まさにそうだと言っていました。ホームレスというと近づきたくないと思うところもありますが、彼らがそこにいたってしまった状態の中でのダンスはとても心放たれるものがありました。魂の踊りと言う感じです。10年以上も続いているのがすごい(暁)。

2019年/日本/カラー/DCP/99分
配給:東京ビデオセンター
(C)Tokyo Video Center
https://www.thedancinghomeless.com/
★2020年3月7日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開
posted by shiraishi at 10:19| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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