監督・撮影・編集・ナレーション:堀 潤
プロデューサー:馬奈木厳太郎
脚本:きたむらけんじ
音楽:青木健
国内外の様々な場で深まる分断。
本作は、ジャーナリスト堀 潤が、各地で見た分断の現実。
2019年9月、香港。民主化を要求するデモに参加した青年が銃で撃たれる。
撃った警官もまた香港人だ。
福島。2011年3月の東日本大震災で起きた東京電力福島第一原子力発電所事故。避難を強いられた人たちに賠償金は支払われたが、いまだ立ち直れない人たちがいる。被災者の間に生まれた分断と差別。
東京出入国在留管理局。家族と引き離され拘置所にいるクルド人難民メメットさん。日本は難民申請の1%しか認めてない。トルコ国籍のクルド人に至っては、一人も認められていない。
カンボジア。増加の一途をたどる中国の資金援助。インフラの整備が進む一方、都市と地方の格差拡大でひずみが生まれている。
パレスチナ。天井のない監獄といわれるガザ。同じパレスチナ自治区のヨルダン川西岸とは容易に行き来ができない。
初監督作品『変身 - Metamorphosis』(2013年)で、日米の原発事故を追った堀潤監督。本作の原点も、生業訴訟を中心にした原発事故被害。前作制作後、より自由な報道活動の場を求めて、NHKを退職しフリージャーナリストとして独立。香港、福島、沖縄、朝鮮半島、シリア、パレスチナ・・・と現地に赴き、人々に寄り添って集めた声の数々。一人一人の語る言葉から、社会の歪みがますます拡大していることが直球で伝わってきました。もうどうすることも出来ないほど、分断は深まっているのかと暗澹たる思いにもなりました。さて、私たちに出来ることは? (咲)
シリアの内戦、香港のデモ、福島の原発、沖縄の基地などさまざまな問題を取り上げる。どれもニュースで報道されているが、そういった報道と違うのは、堀潤氏がそれぞれの問題で対象に深く入り込んで取材していること。国内のことであっても、どこか遠い他人事のような感覚を持ってしまっていたが、本作を見ていると自分に引き寄せて考えずにはいられない。(堀)
2020年/日本/カラー/DCP/5.1ch/105分
取材協力:JVC・日本国際ボランティアセンター、KnK・国境なき子どもたち
配給・宣伝:太秦株式会社
公式サイト:https://bundan2020.com
★2020年3月7日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次公開
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